大王製紙
基本情報
概要
大王製紙は1943年創業の日本の大手製紙メーカーで、紙・板紙製品を多角的に展開し、衛生用紙市場において国内首位のシェアを持つ企業です。
現状
大王製紙は2022年度、連結売上高約6,123億円、営業利益約376億円、純利益約237億円を計上しました。主力の紙・板紙事業では新聞用紙や段ボール原紙を中心に高品質製品を提供し、国内第4位の生産量を誇ります。衛生用紙や家庭用品事業も成長分野で、エリエールブランドが高い市場認知を持ち国内トップシェアを占めています。近年は日清紡ホールディングスの紙事業買収や海外の新興市場への展開も進め、事業拡大を図っています。また、サステナビリティに注力し、植林事業や廃棄物リサイクル技術の導入など環境負荷軽減に取り組んでいます。経営再編や子会社統合も積極的に行い効率化を追求。2023年以降も東南アジア市場の拡大や高機能紙製品の開発に注力し、デジタルトランスフォーメーションを推進することで競争力強化を目指しています。地域社会との連携や地域雇用にも貢献しており、長期的な企業価値向上が期待されます。
豆知識
興味深い事実
- 大王製紙は日本国内で衛生用紙のシェア約15%で首位。
- ティッシュペーパー「エリエール」は1986年までに国内シェア一位に拡大。
- 戦後まもなく洋紙製造を開始し多角化を推進。
- かつて会社更生法適用を経て再建した歴史がある。
- 家庭用紙おむつ市場でユニ・チャームに次ぐ国内2位。
- ペットシーツ市場へ2011年参入しエリエールブランドを展開。
- 地域の製紙関連企業やグループ企業との強固な連携を持つ。
- 動画作品のロケ地として工場が利用されたことがある。
- 紙製造と同時に植林事業も行う数少ない製紙会社。
- 創業家井川家は経営トップから離れるもグループに影響力を残す。
隠れた関連
- 三和グループ・みどり会の会員企業として多業種と関係が深い。
- 紙おむつブランド「アテント」事業譲受でP&Gと重要な取引関係。
- 北越紀州製紙との持分法適用関連会社関係を経て株主として筆頭位置。
- 東南アジア市場展開は現地合弁会社設立を中心に展開。
- 家庭用品の大王製紙グループは多くの子会社と密接に連携。
- 2011年の経営スキャンダルは大きな社会的注目と影響を与えた。
- 大王海運は物流を担う子会社として、大王製紙グループと密接に連携。
- エリエールは国内で最も認知された生活紙ブランドの一つ。
将来展望
成長ドライバー
- 東南アジアを中心とした海外市場の拡大。
- 高齢化に伴う介護用品需要の増加。
- 環境規制強化に伴う持続可能型製品需要増。
- 高機能紙製品・特殊紙開発の市場浸透。
- デジタルコンテンツ減少に伴う紙媒体の再活用。
- バイオエタノールなど環境素材関連事業の成長。
- 業務効率化・DX推進による生産性向上。
- 物流高度化による競争力強化。
- 製品ラインナップの多様化とブランド強化。
- 顧客ニーズに迅速対応するマーケティング力
戦略目標
- 衛生用紙市場シェア20%以上の維持・強化。
- 東南アジア・新興国での販売収益倍増。
- 環境関連製品売上比率を30%以上に向上。
- CNFをはじめ高機能素材の市場展開拡大。
- 自社工場のCO2排出量50%削減達成。
- サプライチェーンの脱炭素化を推進。
- DX活用による経営効率最大化と革新。
- 多様な家庭用品の新製品投入とブランド強化。
- バリューチェーンの持続可能性を確保。
- 地域社会と連携した社会貢献の深化。
事業セグメント
紙・パルプ原料供給
- 概要
- 製紙業界や関連加工業向けに高品質な紙原料を安定供給。
- 競争力
- 多様な原料調達網と高度な製紙技術
- 顧客
-
- 製紙メーカー
- 段ボール製造業
- 印刷業者
- 包装資材メーカー
- 物流業者
- 製品
-
- 新聞用紙原紙
- 段ボール原紙
- 印刷・情報用紙
- 特殊紙
- 古紙再生パルプ
家庭用品OEM・加工
- 概要
- OEM製造および紙製品の加工販売を手掛ける。
- 競争力
- エリエールブランドを背景とした製品力
- 顧客
-
- ドラッグストア
- スーパー
- 卸売業者
- 流通業者
- 外資系衛生用品ブランド
- 製品
-
- 家庭紙加工品
- 紙おむつ加工
- 生理用品製造
- 紙タオル
- 包装資材
環境・エンジニアリング事業
- 概要
- 製紙業界向けに環境技術と省エネ機器を提供。
- 競争力
- 製紙業界特化の技術力と豊富なノウハウ
- 顧客
-
- 製紙工場
- 自治体
- 環境商社
- 産業廃棄物処理業
- バイオマス発電事業者
- 製品
-
- 省エネ設備
- リサイクルシステム
- バイオマス利用装置
- 環境浄化設備
物流・輸送サービス
- 概要
- 物流子会社を通じて紙製品の効率的な輸送を実現。
- 競争力
- 業界特化の物流網とノウハウ
- 顧客
-
- 大王製紙グループ内
- 紙製品メーカー
- 小売業者
- 配送業者
- 製品
-
- 貨物運送
- 倉庫管理
- 輸送管理システム
海外事業育成セグメント
- 概要
- 海外市場開拓と現地生産の拡大を推進。
- 競争力
- 現地法人設立と提携に基づく販売網
- 顧客
-
- 東南アジア市場
- 現地流通業者
- 現地製紙・紙加工会社
- 製品
-
- 紙おむつ
- 衛生用紙
- 家庭用品
競争優位性
強み
- 国内衛生用紙シェア首位
- 多角的事業展開
- 強力なブランド力(エリエール)
- 多様な製品ラインナップ
- 技術開発と設備投資力
- 広範な物流・販売ネットワーク
- 環境対応技術の先進性
- グローバル市場での成長戦略
- 経営再建による収益改善
- 豊富な子会社・連結体制
競争上の優位性
- エリエールブランドの高い市場認知度と信頼性
- 東南アジア等海外市場での積極的展開
- 高品質な新聞用紙・印刷用紙製造能力
- 環境に配慮した植林とリサイクルの取り組み
- 生活用品と産業用品両面の事業多角化
- 長期的な研究開発による技術革新
- 多様な顧客層に対応する製品群
- 安定したサプライチェーン管理
- 再編統合を通じた経営効率化
- 持続可能な社会対応の企業姿勢
脅威
- 製紙業界の需要減退傾向
- 原材料価格の変動リスク
- 環境規制や持続可能性圧力の強化
- 海外市場の競争激化
- 人口減少による国内市場縮小
- 競合他社の技術革新と価格競争
- 為替変動による収益影響
- 社会的信用の失墜リスク
- サプライチェーンの地政学リスク
- 代替素材の普及による需要減少
イノベーション
2023: バイオエタノール製造技術の開発
- 概要
- 木材からのバイオエタノール生産技術を開発し、石化メーカーにサンプル供給。
- 影響
- 環境対応燃料市場への新規参入機会創出
2022: セルロースナノファイバー(CNF)パイロットプラント稼働開始
- 概要
- 次世代高機能素材の製造技術確立に向けた実証設備を稼働。
- 影響
- 新素材開発と製品差別化に貢献
2021: 日清紡ホールディングスの紙事業買収
- 概要
- 紙製品事業の子会社化により製品ライン拡充とシナジー創出を達成。
- 影響
- 事業基盤の強化と市場シェア増加
2020: 環境負荷低減の物流子会社統合
- 概要
- グループ内物流子会社を集約し効率的な物流体制を構築。
- 影響
- 物流コスト削減とCO2排出量削減
サステナビリティ
- 植林事業による森林資源の持続可能な利用
- 製紙工程の脱炭素・省エネ対策強化
- 廃棄物循環利用の促進とリサイクル技術開発
- 環境配慮型製品投入の拡充
- 海外工場での環境基準順守と地域貢献活動
- サプライチェーンのトレーサビリティ強化
- 環境教育・啓蒙活動の地域展開
- 水資源の効率的利用と保全活動
- 持続可能な原料調達のための認証取得推進
- 社会貢献活動を通じたESG経営の推進