栗本鐵工所
基本情報
概要
栗本鐵工所は1934年設立の鉄鋼業界で鋳鉄管分野国内第2位を誇る老舗企業で、公共事業向け配管製造を中心に多角的な技術開発を展開しています。
現状
栗本鐵工所は2025年3月期に連結売上高約1267億円、経常利益約85億円を計上し、安定した財務体質を維持しています。主力の鋳鉄管事業は国内市場でコンペティターに次ぐシェアを持ち、上水道・下水道など公共インフラ関連に強く依存しています。近年はFRP製品やCFRP製造受託事業など新素材への進出に注力し、技術革新を推進中です。持続可能性にも配慮し、脱溶剤装置のテストセンター設置など環境負荷低減に取り組んでいます。中長期的には子会社の再編や合併を通じて経営効率の向上と顧客価値の拡大を図っており、2030年に向けて技術多角化と市場拡大を戦略的に推進しています。近年の不祥事対応も踏まえ、品質管理の強化と信頼回復を重点課題としています。
豆知識
興味深い事実
- 1909年創業の鋳鉄管メーカーとして国内最古の一つ。
- 鋳鉄管業界でクボタに次ぐ国内第2位のシェア。
- 長年にわたり高速道路橋梁用鋳鋼製品を供給。
- 公共インフラ向け配管資材のトップクラスメーカー。
- 1965年頃から約40年にわたる型枠強度改竄事件が発覚。
- 2019年に創業110周年を迎え、CI刷新とイメージソング制定。
- 炭素繊維強化プラスチック自動車部品事業に注力。
- 複数の合併・子会社再編により経営効率化を推進。
- 脱溶剤装置の専用試験センターを工場内に設置。
- 大輪会の会員企業として広範な企業ネットワークを持つ。
- 北海道や九州にも工場を有する全国展開型企業。
- 協力会社との密接な連携による品質管理が特徴。
- 主幹事証券はりそな銀行で、安定的な資本関係あり。
- 製鉄・金属製品分野の他、機械関連も展開。
- 上水道・下水道の公共事業に強く依存する事業特性。
隠れた関連
- 創業地の大阪大正区千島に発祥の地石碑が設置され地域との深いつながりを示す。
- 民事再生手続中のダイカポリマー事業を2017年譲受しポリマー事業を強化。
- 太平洋セメント系列の香春製鋼所との子会社合併で事業連携を深めている。
- 高速道路型枠強度改竄事件により業界内での信頼回復に注力。
- 日本マスタートラスト信託銀行や太陽生命保険など大手金融機関が主要株主。
- 化学工業新聞や日本経済新聞等で環境製品開発を積極的に発信。
- 製鋼、鋳鉄管、建材、機械など多角的に事業領域を拡大傾向。
- テレビ・ラジオ提供番組を持ち、地域社会への広報活動を展開。
将来展望
成長ドライバー
- 公共上下水道インフラの更新需要増加
- FRP・CFRP製品の自動車産業への応用拡大
- 環境規制強化による環境対応製品の需要増加
- 地域集中型大型プロジェクトの受注拡大
- 繊維強化複合材料技術の高度化と普及促進
- 官民連携事業の推進による市場拡大
- 海外インフラ市場開拓の可能性拡大
- 高度技術者育成による技術革新の加速
- 持続可能な製造工程へのシフト
- DX推進による業務効率化とコスト削減
- 子会社連携強化によるシナジー創出
- 新素材・新技術の商業化加速
戦略目標
- 公共事業分野でのシェア拡大による売上成長
- 炭素繊維強化プラスチック製品の事業化加速
- 環境負荷ゼロを目指す製造プロセスの確立
- 全製品ラインの環境認証取得
- 品質管理とコンプライアンス体制の強化
- 全国ネットワークの最適化と多拠点生産体制の整備
- 技術研究開発部門の強化
- デジタルトランスフォーメーションの実現
- 地域社会との共生と社会貢献活動の深化
- 中長期的な海外市場参入計画の推進
事業セグメント
公共上下水道事業
- 概要
- 地方自治体向け上下水道施設用に高耐久鋳鉄管及び関連部材を提供。
- 競争力
- 国内第2位のシェアと長年の技術蓄積
- 顧客
-
- 地方自治体
- 上下水道事業者
- 建設会社
- 設備施工業者
- 公共事業コントラクター
- 製品
-
- 鋳鉄管
- ダクタイル鋳鉄管
- 配管継手
- 耐食ライニング材
- 上下水道配管システム
建築設備資材事業
- 概要
- 建築空調やガス設備向けに高品質の配管及び資材を製造販売。
- 競争力
- 豊富な製品ラインナップと施工システム提案力
- 顧客
-
- 建設会社
- 設備施工業者
- 空調設備メーカー
- ガス事業者
- 不動産管理会社
- 製品
-
- 空調配管資材
- 給排水管材
- ガス管材
- 配管継手
- 省エネ建材システム
産業機械用鋳鋼製品
- 概要
- 産業機械や橋梁向けの高品質鋳鋼部品を提供。
- 競争力
- 高度な鋳鋼技術とカスタム対応力
- 顧客
-
- 機械メーカー
- プラント建設会社
- 橋梁メーカー
- 鉄鋼メーカー
- 重機メーカー
- 製品
-
- 鋳鋼部品
- 特殊鋳鋼製品
- 橋梁部材
- 機械用金属部品
化学・環境装置事業
- 概要
- 化学プロセス向け脱溶剤・反応装置の設計・製造・販売。
- 競争力
- トータルシステム設計と試験機能
- 顧客
-
- 化学メーカー
- 環境設備事業者
- 製造業各社
- 研究機関
- 装置設計会社
- 製品
-
- 脱溶剤装置
- 反応装置
- 試験用テストセンター設備
自動車関連部品受託製造
- 概要
- 炭素繊維強化プラスチック部品の受託製造を展開中。
- 競争力
- 先端複合材加工技術
- 顧客
-
- 自動車メーカー
- 自動車部品メーカー
- 輸送機器メーカー
- 製品
-
- CFRP自動車部品
- 軽量複合材部品
物流・商社事業
- 概要
- グループ子会社を通じた管材と建材の卸売事業。
- 競争力
- 広範な国内物流ネットワーク
- 顧客
-
- 管材商社
- 建材卸業者
- 工事会社
- 各種流通業
- 製品
-
- 管材卸売り
- 建材卸売り
ポリマー関連事業
- 概要
- 合成樹脂関連製品の開発・製造・販売を展開。
- 競争力
- 素材開発技術と多様な応用領域
- 顧客
-
- 化学工業企業
- 素材メーカー
- 機械メーカー
- 製品
-
- 合成樹脂製品
- コーティング材
製造機械事業
- 概要
- 鋳造や金属加工に用いる産業機械の製造。
- 競争力
- 高精度機械の設計・製造技術
- 顧客
-
- 金属加工業者
- 工場設備メーカー
- 産業機械製造企業
- 製品
-
- 金属プレス機械
- 鋳造機械
橋梁関連事業
- 概要
- 橋梁関連資材の設計・製造(分社化済み)。
- 競争力
- 業界での長年の実績
- 顧客
-
- 橋梁建設会社
- インフラ事業者
- 製品
-
- 橋梁用資材
- 型枠製造
建材設計・工事
- 概要
- クライアント向けに建材配管の設計・工事を提供。
- 競争力
- 一貫した設計施工サービス
- 顧客
-
- 建築設計事務所
- 工事会社
- オーナー企業
- 製品
-
- 配管設計
- 工事施工管理
環境対応製品開発
- 概要
- 環境対応製品や省エネ資材の開発販売に注力。
- 競争力
- 環境省認証製品多数
- 顧客
-
- 環境関連企業
- 公共インフラ
- 製品
-
- 環境配慮型鋳鉄管
- 省エネ配管資材
研究開発および技術支援
- 概要
- 革新的製品開発を支援し技術競争力を強化。
- 競争力
- 豊富な特許と技術人材
- 顧客
-
- 自社事業部門
- 外部研究機関
- 製品
-
- 新素材研究
- 加工技術開発
- 技術コンサルティング
競争優位性
強み
- 国内鋳鉄管分野第2位の市場シェア
- 長年培った鋳鉄及び鋳鋼製造技術
- 多様な製品ポートフォリオ
- 公共事業との安定的取引関係
- 独自のFRP・CFRP技術展開
- 子会社と連携した幅広い事業基盤
- 高い品質管理と製品信頼性
- 強力な地域密着型営業ネットワーク
- 継続的な技術革新推進
- 長期的な顧客関係構築力
- 安定した財務基盤
- 高度な環境対応技術保有
- 自在なカスタム製品対応
- 多拠点生産体制による供給力
- 豊富な特許技術
競争上の優位性
- クボタに次ぐ鋳鉄管国内市場での強固な地位
- 公共上下水道事業者からの高い信頼収得
- 先端複合材の製造受託で自動車業界参入準備
- 広範な業界ニーズをカバーする製品群
- 子会社合併による一体運営で効率化実現
- 環境対応装置開発で市場先行
- 技術テストセンター設置による開発力強化
- 多様な配管システム提案能力
- 特殊鋳鋼製品のカスタム性能
- 安定供給に裏打ちされた顧客満足度
- 高度な素材研究開発による差別化
- 素材高騰時のコスト管理力
- 幹部主導の積極的経営戦略展開
- 業界内での連携ネットワーク形成力
- 組織的な品質改善とコンプライアンス強化
脅威
- 公共事業予算の変動による需要変動
- 原材料価格の高騰と供給不安
- 鋳鉄管市場の競合激化
- 新素材・代替配管材の市場拡大
- 環境規制の強化と対応コスト増
- 技術革新の遅れによる競争力低下
- 海外企業の市場参入拡大
- 品質不祥事による信頼低下リスク
- 労働力不足と人件費上昇
- 為替変動による経営リスク
- インフラ老朽化による需給不均衡
- 地政学的リスクによる資材調達影響
イノベーション
2024: 炭素繊維強化プラスチック自動車部品の受託製造参入
- 概要
- CFRP技術を用いた自動車部品製造事業に新規参入し、軽量化と耐久性の高い製品開発に成功。
- 影響
- 新事業拡大により売上2050年度に約40億円見込む
2023: 脱溶剤装置用専用試験施設の稼働開始
- 概要
- 環境負荷低減を目的とした脱溶剤装置の試験と開発を加速するため、住吉工場内にテストセンターを設置した。
- 影響
- 装置品質向上と新規顧客獲得に寄与
2022: 環境対応低炭素鋳鉄管の製造技術強化
- 概要
- 製造工程の環境負荷を削減しつつ耐久性を維持する新製法を導入した。
- 影響
- 製品の環境認証取得数増加に貢献
2021: 多地点生産体制の効率化統合
- 概要
- 複数工場の生産機能を統合・再編して生産効率と品質管理を強化した。
- 影響
- コスト削減と納期短縮を実現
2020: FRP配管製品の新規開発と量産化
- 概要
- 耐食性に優れた繊維強化プラスチック製配管製品を開発し、公共工事に展開。
- 影響
- 市場拡大と売上増加を達成
サステナビリティ
- 脱溶剤装置による環境負荷削減推進
- 脱炭素製造工程への移行計画
- リサイクル鋳鉄素材の積極活用
- 省エネ建材システムの提供
- 工場内エネルギー効率改善施策
- 水質・大気汚染防止対策強化
- 環境マネジメントシステムISO14001取得
- 地域環境保全活動への参加
- 持続可能な資材調達の推進
- 企業倫理とコンプライアンス遵守