曙ブレーキ工業
基本情報
概要
曙ブレーキ工業は1936年設立の自動車および鉄道向けブレーキ部品のトップサプライヤーで、国内外で高いシェアを誇る技術力とグローバルな生産・供給体制を持つ企業です。
現状
曙ブレーキ工業は2020年3月期に連結売上高約1933億円を計上し、国内ブレーキパッド市場で約4割のシェアを保持しています。主力事業は自動車用ブレーキ部品でトヨタや日産、GMなど主要完成車メーカーに供給しています。新幹線用ブレーキ部品など鉄道市場にも強く、高い競争力を持ちます。2019年に事業再生ADRを成立させて財務基盤を再建し、宮地康弘社長のもと経営体制を刷新しました。資材コストの高騰や自動車生産減少による受注減少に対応しつつ、F1やモータースポーツへの技術供給で革新力を発揮。サステナビリティへの取り組みも進めています。中長期的にはグローバル市場拡大と高機能ブレーキの開発で成長を目指しています。
豆知識
興味深い事実
- 1964年の新幹線開業以来、非常用ブレーキ部品を供給し続けている。
- F1のマクラーレンチームへは2006年からブレーキシステムを提供。
- 2019年に創業以来55年間続いていた親子経営が終止符を打った。
- 2012年時点で日本と米国のブレーキパッド市場シェアは4割に達する。
- かつてはテレビ神奈川の複数番組の長期スポンサーを務めていた。
- 創業者の納三治は米コーネル大学で学び帰国後会社を設立。
- 社章は同志社大学の校章を許可を得て採用している。
- 新幹線ブレーキ部品の市場で非常に高いシェアを誇る。
- 2023年に金融機関に借入金の借り換え要請を行った。
- モータースポーツ向け部品供給でル・マン24時間レース4連覇に貢献。
- 欧州や北米、タイ、中国に複数現地法人を展開するグローバル企業。
- 検査データの不正書き換え問題が複数回報道されたが回復途上である。
- 製品は乗用車用から鉄道車両用、大型輸送機器用まで多岐にわたる。
- 新幹線のブレーキキャリパーおよびライニングは国内外で高評価。
- 社名・ブランド名のakebonoは夜明けを意味し創業地の風景に因む。
隠れた関連
- トヨタ自動車が最大株主であり、製品供給や技術連携が密接である。
- ドイツのロバート・ボッシュとも技術提携している。
- F1技術提供を通じて世界トップレベルのモータースポーツ技術を有する。
- かつて米デルファイが筆頭株主だったが、その株をトヨタへ売却した。
- 新幹線非常用ブレーキの主要サプライヤーとして高い信頼を得ている。
- 第三者割当増資により事業再生ADRが成立し財務再建が実現された。
- 東京証券取引所は時価総額調査の結果、上場維持を決定している。
- 創業家による経営は2019年に終了し新たな経営体制に移行した。
将来展望
成長ドライバー
- 電動車両向け軽量で高効率なブレーキ部品需要の拡大。
- グローバルな自動車市場の回復と新興国市場の成長。
- モータースポーツ分野で培った技術革新の事業展開。
- 安全・環境規制強化に対応した高機能製品開発。
- 鉄道インフラの更新需要と新交通システムへの参入。
戦略目標
- グローバル市場での売上比率60%以上を達成。
- 環境負荷低減製品のラインナップを全製品の80%に拡大。
- 次世代モーター車用ブレーキ技術の確立と量産化。
- 持続可能なサプライチェーンの確立とデジタル化推進。
- 鉄道・モータースポーツへの技術供給強化によるブランド価値向上。
事業セグメント
自動車メーカー向け部品供給
- 概要
- 主要自動車メーカー向けに高品質なブレーキ部品のOEM供給を行う。
- 競争力
- 高度な技術力とグローバル生産ネットワーク
- 顧客
-
- トヨタ自動車
- 日産自動車
- GM
- ホンダ
- スズキ
- マツダ
- 三菱自動車
- フォルクスワーゲン
- 現代自動車
- BMW
- ダイムラー
- 製品
-
- ブレーキパッド
- ブレーキキャリパー
- ローター
- マスターシリンダー
- ディスクブレーキシステム
- ハイブリッド車向け制動部品
- 電子制御ブレーキ部品
鉄道車両メーカー向けブレーキシステム
- 概要
- 鉄道車両向けの安全で高耐久なブレーキシステムを提供。
- 競争力
- 新幹線用部品で高いシェアを有する技術力
- 顧客
-
- JR各社
- 私鉄各社
- 鉄道車両メーカー
- 製品
-
- ブレーキライニング
- ブレーキキャリパー
- 非常用ブレーキ部品
モータースポーツ用技術開発・供給
- 概要
- モータースポーツ市場向けに耐久性と性能に優れた製品を提供。
- 競争力
- F1を始めとした最高峰技術の応用力
- 顧客
-
- マクラーレンF1チーム
- トヨタGAZOO Racing
- その他モータースポーツチーム
- 製品
-
- 高性能ブレーキキャリパー
- マスターシリンダー
- 耐熱素材と制動システム
補修市場向けOEM・部品供給
- 概要
- 補修用部品市場向けに幅広い商品を安定供給。
- 競争力
- 迅速なサプライチェーンと品質管理
- 顧客
-
- 自動車整備工場
- 部品販売店
- 車検業者
- 製品
-
- ブレーキパッド
- ローター
- 補修用キャリパー
競争優位性
強み
- 国内外で強固な市場シェア
- 高い技術開発力と特許保有
- トヨタなど大手自動車メーカーとの関係
- 新幹線用ブレーキの高い信頼性
- グローバル生産・供給ネットワーク
- モータースポーツ技術の応用力
- 長期にわたる業界での実績
- 製品の高品質管理
- 多様な製品ラインナップ
- 経験豊富な経営陣
競争上の優位性
- 国内ブレーキパッド市場で約4割のシェアを保持している
- 新幹線用非常用ブレーキ部品で高い市場独占力を持つ
- F1マクラーレンチームへの技術供給など先端技術を有する
- 主要自動車メーカーへの安定的な供給関係と信頼が強み
- グローバルに展開する生産・販売ネットワークが多様な市場をカバー
- 事業再生ADRを通じた財務再建で経営基盤を強化
- 高性能素材と電子制御技術の融合による差別化
- 多様な顧客ニーズに対応可能な製品開発力
- 環境規制対応製品の開発に積極的
- 長年のモータースポーツ活動による技術革新
脅威
- 自動車産業の生産低減による需給低下リスク
- 検査データ不正問題による信頼回復の課題
- 原材料価格の高騰によるコスト増大
- グローバル競合他社とのシェア争い
- 環境規制強化に伴う製品開発コスト増
- 為替変動の影響による収益変動リスク
- 新興市場での現地競合の台頭
- 事業再生プロセスの影響残存リスク
- サプライチェーンの断絶や遅延リスク
- 技術革新の遅れによる競争力低下
イノベーション
2021: 新材料による高耐久ブレーキパッドの開発
- 概要
- 摩擦材の耐熱性能と耐久性を向上させる新材料を採用。
- 影響
- 使用寿命延長とメンテナンスコスト削減に成功。
2022: 電動車両向け軽量ブレーキシステム開発
- 概要
- EVやハイブリッド車専用のコンパクトかつ高効率な制動システムを開発。
- 影響
- 車両の燃費向上に寄与し環境負荷低減に貢献。
2023: F1マクラーレン用新型ブレーキキャリパー開発
- 概要
- 2023年シーズンに対応する新規設計の高性能ブレーキシステムを提供。
- 影響
- マクラーレンチームの競技力向上に貢献。
2024: 新幹線用ブレーキライニングの性能改良
- 概要
- 新材料の採用により制動性能と耐摩耗性を両立した次世代製品を開発。
- 影響
- 安全性の一層の向上とコスト削減を実現。
2022: デジタル検査データ管理体制の強化
- 概要
- 過去の検査データ不正を受けてデジタル管理システムを全面刷新。
- 影響
- 品質管理の信頼性が大幅に向上した。
サステナビリティ
- 環境負荷低減を目指した無鉛摩擦材の開発と採用拡大
- 生産工程でのCO2排出削減プログラムの推進
- 廃棄物リサイクル率の向上と廃棄物削減の取り組み
- 従業員の健康安全管理の強化と労働環境の改善
- 地域社会と連携した環境美化活動の実施