ダイセル
基本情報
概要
ダイセルは1919年創業の化学品メーカーで、酢酸セルロースやたばこフィルター分野で国内トップクラスの技術力と世界的なシェアを有しています。
現状
ダイセルは2024年3月期に連結売上高約5580億円、純資産約3748億円を達成し、国内外の多様な市場で安定成長を続けています。主力の酢酸セルロース製品に加え、たばこフィルター事業では世界第2位のシェアを誇り、自動車エアバッグ用インフレーターも国内首位かつ世界3位の地位を築いています。近年は生産革新によりコスト削減と生産性向上を実現し、研究開発も強化。サステナビリティに注力し、環境負荷低減製品の開発やプラスチック削減にも積極的に取り組んでいます。多国籍展開により事業基盤を多角化しつつ、BtoBからBtoCまで幅広い顧客に対応。中長期的には新材料開発や成長分野の拡大を目指し、2023年には不要な防衛関連事業から撤退し収益構造の改善を図っています。持続可能な成長を志向し、2030年に向けた技術革新とグローバル競争力強化を進めています。
豆知識
興味深い事実
- 日本で唯一のたばこ用フィルター製造メーカー
- ダイセル方式は化学業界の生産革新モデル
- 機械式エアバッグインフレーターは世界唯一の生産技術
- 創業当初はセルロイド製品で世界市場をリード
- 富士フイルムと相互に株式を持つ戦略的関係
- 100年以上の歴史を持つ老舗化学メーカー
- 工場跡地はイオンモールとして再開発された
- 三井グループの一員として強固なグループ連携
- ムダ削減で製造原価を2割削減した実績
- 世界3位のエアバッグ用インフレーターシェア
- 多国籍の生産・研究拠点を有するグローバル企業
- 独自の生産管理システムで顧客競争力を支援
- 世界的に電子材料分野で高い市場シェアを持つ
- 2023年に防衛関連製品から完全撤退を完了
- たばこ業界の技術革新にも大きく貢献
隠れた関連
- 富士フイルムとは相互株式持ち合いの戦略的パートナー
- 三井グループに属し多くのグループ企業と密接連携
- 生産革新のダイセル方式は他大手企業にも導入されている
- 旧岩井財閥系の最勝会グループに加盟している
- 元は8社のセルロイド会社の合併で設立された歴史を持つ
- 防衛関連製品事業からの撤退により経営資源を集中
- 国内唯一のたばこ用フィルターメーカーで世界に輸出
- グランフロント大阪に本社を構え先端技術に注力
将来展望
成長ドライバー
- 世界的に強まる環境規制に対応する生分解性材料
- 電子材料の進化に伴う高機能素材需要の増大
- タバコ用フィルターの高機能化および代替品開発
- 自動車用安全部品市場のグローバル拡大
- 生産革新技術を活用したコスト競争力の強化
- 新材料開発による多分野への事業展開
- グローバル市場での拠点拡充と販売強化
- 顧客ニーズに対応したカスタマイズ製品提供
- サステナビリティ志向製品への需要高まり
- 研究開発の加速による革新的技術獲得
- 産業用機能性化学品の多様化需要
- 高品質・安全性に対する顧客評価向上
戦略目標
- 環境対応製品売上比率50%以上の達成
- グローバル売上高を現在比で1.5倍に拡大
- 研究開発投資の継続的増強と革新促進
- サプライチェーンの完全デジタル化
- 炭素排出量削減目標達成とESG評価向上
- 新規事業売上高1000億円超の実現
- 世界トップクラスの安全機能部品提供
- 多様な人材活用を推進し企業文化の革新
- 地域社会との持続可能な共生強化
- グローバル市場での技術優位性確立
事業セグメント
電子材料製造
- 概要
- 電子部材向けに高精度で安定した材料を提供し、顧客の高品質製品製造を支援。
- 競争力
- 富士フイルムとの強力連携と技術開発力
- 顧客
-
- 液晶パネルメーカー
- 半導体製造企業
- 電子機器組立企業
- 偏光板製造業者
- 製品
-
- 酢酸セルロースフィルム
- フォトレジスト
- 半導体封止材
自動車用安全部品
- 概要
- 高信頼性の安全部品で国内トップシェア、グローバルに供給。
- 競争力
- 世界唯一の機械式インフレーター生産技術
- 顧客
-
- 自動車メーカー
- エアバッグ製造企業
- 安全部品サプライヤー
- 製品
-
- エアバッグ用インフレーター
- 発射薬
- 安全機能部品
たばこ用フィルター製造
- 概要
- 国内唯一の製造で世界2位シェア、機能性強化製品も提供。
- 競争力
- 高度な繊維加工技術と品質管理
- 顧客
-
- 国内外たばこメーカー
- 機能性フィルターメーカー
- 製品
-
- セルロースアセテートフィルター
- 機能性タバコフィルター
合成樹脂供給
- 概要
- 多様な形態の合成樹脂で多業種のニーズに応える。
- 競争力
- 多品種少量生産体制による柔軟対応
- 顧客
-
- 電機メーカー
- 自動車部品メーカー
- 包装材料製造業者
- 製品
-
- ABS樹脂
- ポリエチレン
- 特殊樹脂材料
火工品および発射薬
- 概要
- 高度な安全技術で信頼される火工品供給。
- 競争力
- 多用途対応可能な高度な火薬製造技術
- 顧客
-
- 防衛関連企業
- 自動車エアバッグメーカー
- 工業火薬ユーザー
- 製品
-
- 工業用火薬
- 発射薬製品
- 安全火工品
機能性化学品製造
- 概要
- 産業用機能性化学品で幅広い分野のニーズ対応。
- 競争力
- 独自合成技術と環境配慮製品開発
- 顧客
-
- 化学品メーカー
- 医薬品企業
- 電子材料開発企業
- 製品
-
- 有機合成品
- 環境対応化学材料
- 医薬中間体
包装材供給
- 概要
- 環境対応と高機能を両立した包装材供給。
- 競争力
- 環境素材技術のリーダーシップ
- 顧客
-
- 食品メーカー
- 工業製品製造企業
- 流通業者
- 製品
-
- 高強度ラップフィルム
- 生分解性包装フィルム
生産革新システム
- 概要
- ダイセル方式による生産効率向上支援ソフト提供。
- 競争力
- 独自の生産革新ノウハウとIT技術
- 顧客
-
- 製造業全般
- プロセス産業企業
- エンジニアリング企業
- 製品
-
- 生産管理ソフトウェア
- オペレーション最適化システム
バイオ・環境材料
- 概要
- 環境負荷低減に貢献する先進材料を提供。
- 競争力
- 次世代バイオ素材開発の先駆者
- 顧客
-
- 食品包装メーカー
- 環境素材開発企業
- 農業関連企業
- 製品
-
- 生分解性プラスチック
- バイオポリマー
研究用化学品・試薬
- 概要
- 研究用途に最適な高品質化学品を提供。
- 競争力
- 厳格な品質管理とカスタマイズ可能性
- 顧客
-
- 大学・研究機関
- 製薬企業
- 化学メーカー
- 製品
-
- 高純度化学品
- 機能性試薬
インフレーター関連製品
- 概要
- エアバッグ向け先進インフレーター製品開発。
- 競争力
- 世界唯一の機械式インフレーター製造技術
- 顧客
-
- 自動車部品サプライヤー
- 安全装置メーカー
- 製品
-
- 機械式インフレーター部品
- センサー連動システム
産業用化成品
- 概要
- 産業向け高性能化成品を多様に展開。
- 競争力
- 多分野に対応する幅広い製品ラインナップ
- 顧客
-
- 塗料メーカー
- 接着剤企業
- 電子材料メーカー
- 製品
-
- 合成樹脂粉末
- 接着剤原材料
競争優位性
強み
- 世界2位のたばこフィルターシェア
- 日本唯一のセルロース製造メーカー
- 機械式エアバッグインフレーターの独自技術
- 長い歴史に裏打ちされた研究開発力
- 多様な事業ポートフォリオ
- 三井グループとの強固な資本・業務関係
- 国内外に広がる生産・研究拠点
- ダイセル方式による生産革新の成功
- 高い品質管理と安全管理体制
- 富士フイルムとの戦略的連携
- 多種多様な化学素材生産能力
- 積極的なサステナビリティ推進
- グローバル展開の拡大
- 長期的顧客関係の確立
- 安定した財務基盤
競争上の優位性
- 国内で唯一の酢酸セルロース製造で市場優位
- タバコ用フィルターで世界2位の規模と技術力
- 機械式エアバッグインフレーターの世界唯一の製造企業
- ダイセル方式による生産管理でコスト削減と効率化を達成
- 富士フイルムとの材料供給連携によるエレクトロニクス分野での強み
- 多様な化学素材群で幅広い産業用途に対応可能
- 安定した顧客基盤と長期取引による競争優位
- 積極的な環境対応品開発による市場での差別化
- グローバル生産ネットワークを活用した供給と販売
- 高度な品質保証体制が顧客信頼を支える
- 多角的な技術開発で産業の多様なニーズを満たす
- 三井グループの支援による資本と業務面の安定性
- 火工品分野の高い安全性と技術力
- 広範な製造拠点による迅速な供給対応
- 研究開発組織の継続的強化によるイノベーション
脅威
- 原材料価格の変動によるコスト増加リスク
- 規制強化による事業制限の可能性
- グローバル競合企業の技術革新と価格競争
- 環境規制の厳格化による生産負荷増大
- たばこ業界全体の縮小傾向による影響
- 為替変動による収益悪化リスク
- 新素材・代替品の市場侵入による競争激化
- 地政学的リスクによる海外事業の影響
- 労働力不足による生産能力低下
- 自然災害による工場稼働停止リスク
- サプライチェーンの断絶による生産遅延
- 新型コロナ等健康危機による業績不確実性
イノベーション
2023: 中期戦略アップデート
- 概要
- 成長戦略の見直しにより防衛関連事業からの完全撤退完了。
- 影響
- 収益構造のスリム化と新規事業への注力
2022: 生分解性プラスチック素材開発
- 概要
- 環境負荷低減を目的とした生分解性プラスチックの新素材発売。
- 影響
- 環境対応製品のラインアップ強化
2024: 生産革新システム強化
- 概要
- ダイセル方式の拡張による生産効率最大化とコスト削減を推進。
- 影響
- 製造原価2割削減、生産性3倍向上
2021: 電子材料新技術導入
- 概要
- 高性能偏光板保護フィルムの新規生産技術を開発導入。
- 影響
- 市場シェア拡大と生産安定性向上
2020: 自動車用インフレーター改良
- 概要
- 安全性と耐久性を兼ね備えた新型機械式インフレーター開発。
- 影響
- 自動車メーカーの高評価獲得、受注増
サステナビリティ
- 生分解プラスチックの開発・普及促進
- 製造工程のエネルギー効率向上
- 廃棄物リサイクル率の持続的改善
- 環境負荷低減に向けた材料開発
- 地域社会との共生と環境保全活動
- 化学物質リスク管理の強化
- グリーン調達の推進
- 社員の環境意識向上プログラム
- サプライチェーンの環境監査強化
- 持続可能な調達先の選定
- CO2排出削減目標の設定とモニタリング
- 安全衛生管理の継続的強化