DIC
基本情報
概要
DIC株式会社は1937年創業の化学メーカーで、印刷インキ・有機顔料・合成樹脂分野で世界トップシェアを誇り、世界60か国以上で事業を展開しています。
現状
DICは2023年12月期の連結売上高が約1兆387億円で、印刷インキや合成樹脂を主軸にアジアや欧米市場で販売を強化しています。高機能材料やPPSコンパウンド分野での製品開発に注力し、グローバルな生産・研究拠点を多数保有しています。2021年のBASFからの顔料事業買収や2023年のカナダPCASの全株取得など積極的なM&Aで事業基盤を強化しました。健康経営優良法人認定を7年連続で受けるなど、サステナビリティ経営にも積極的で、東証プライム市場に上場中です。今後もブランドスローガン「Color & Comfort」のもと、機能性材料の拡充と環境対応製品の開発に重点を置き、2030年に向けた持続可能な成長を目指しています。
豆知識
興味深い事実
- DICカラーガイドは日本トップシェアの色見本帳として最も広く使われる
- 創業100周年を記念して商号を大日本インキ化学工業からDICに変更した
- PPSコンパウンド分野で世界シェアトップの技術力を誇る
- DIC川村記念美術館を運営し文化・芸術支援も積極的
- 海外買収によりグローバル化を早期に実現した先駆的企業である
- 四日市工場のポリスチレン年間生産量は21.8万トンを誇る
- 健康経営優良法人に7年連続認定されている
- インキ、顔料、合成樹脂の三本柱で多角的事業展開する地域社会密着型メーカー
- 環境対応パッケージ用インキのマザープラントを中国に設立している
- 1999年に仏国トタルフィナ社の印刷インキ部門を買収し事業拡大した
- 2009年に印刷インキ事業を分社化しDICグラフィックス株式会社を設立
- ブランドスローガンは「Color & Comfort」で幅広い市場で親しまれる
- 高機能顔料や液晶材料など電子材料も手がけている
- 国内では東京都中央区の日本橋に本社を置く
- 四半世紀以上にわたり積極的な海外進出とM&Aを続けている
隠れた関連
- 大成建設ハウジングを1997年に共同出資で設立し建設業界とも連携
- 多数の大手製造業や商社と戦略的パートナー関係を構築している
- BASFやSun Chemicalなどグローバル大手化学企業との技術提携や事業買収歴が豊富
- 公的機関や大学、NGO団体と連携し幅広い社会貢献活動を展開中
- 経済産業省の健康経営優良法人認定で7年連続ホワイト500に認定されている
- 多様な分野の素材事業をカバーし産業界のサプライチェーンに深く関与
- 業界内でのブランド力と技術力が国内外で高く評価されている
- 災害時の復興支援や地域文化振興に長期的に取り組む慈善活動を行う
将来展望
成長ドライバー
- アジアを中心とした新興市場の印刷インキ需要増加
- 環境対応製品の市場拡大と法規制強化への対応
- 機能性顔料・高性能樹脂の技術革新による新用途開拓
- 半導体・電子材料市場の成長による素材需要増
- グローバルな生産・販売ネットワークの強化による効率化
- 健康経営と企業の社会的責任意識向上への対応
- デジタルトランスフォーメーションによる生産性向上
- 顧客多様化への迅速対応による市場獲得
- 持続可能な資材循環システムの構築
- ブランド力強化による顧客ロイヤルティ向上
- 研究開発投資拡大によるイノベーション加速
- M&A戦略による事業ポートフォリオのさらに多様化
戦略目標
- 環境対応製品比率70%以上の達成
- 海外売上比率60%以上への拡大
- 高機能素材市場での世界シェアトップ維持
- CO2排出量50%削減の実現
- 健康経営認定継続と社員満足度向上
- 新規事業売上高2000億円の達成
- DXによる全社業務効率化と品質向上
- 持続可能なサプライチェーンの構築
- グローバル多様性経営の推進と人材育成
- 地域社会との共生活動の継続強化
事業セグメント
印刷インキ事業
- 概要
- 商業・包装印刷向けに幅広い印刷インキと関連資材を提供。
- 競争力
- 高品質な技術開発力とグローバル生産体制
- 顧客
-
- 印刷業者
- パッケージメーカー
- 広告代理店
- 商業印刷会社
- 出版社
- ラベル印刷業者
- 包装資材メーカー
- 製品デザイナー
- 製品
-
- 印刷インキ
- パッケージインキ
- ワニス
- 特殊インキ
- UVインキ
- 水性インキ
- インクジェットインキ
合成樹脂・顔料事業
- 概要
- 自動車や電子部品等向けに高機能材料を提供。
- 競争力
- 技術力と素材多様性による顧客対応力
- 顧客
-
- 塗料メーカー
- 自動車メーカー
- 電子機器メーカー
- 建材メーカー
- プラスチック成型会社
- 産業用製造業者
- 製品
-
- 合成樹脂
- 有機顔料
- 改質剤
- フッ素化学品
- アルキルフェノール
- 硫黄系石油添加剤
PPSコンパウンド事業
- 概要
- 耐熱性と強度を必要とする産業向けプラスチック製品。
- 競争力
- 世界トップシェアの製造技術
- 顧客
-
- 自動車部品メーカー
- 電子部品製造業者
- 高機能プラスチック加工業者
- 製品
-
- PPS樹脂コンパウンド
- 高耐熱プラスチック材料
包装用接着剤・フィルム事業
- 概要
- 食品や医薬品の包装材を高品質で供給。
- 競争力
- 安全基準適合製品の提供力
- 顧客
-
- 食品包装業者
- 医薬品包装業者
- 物流会社
- 製品
-
- 多層フィルム
- 食品用接着剤
- 包装資材
液晶材料事業
- 概要
- ディスプレイ用途に特化した高度な液晶材料提供。
- 競争力
- 高性能液晶材料の開発力
- 顧客
-
- 液晶パネルメーカー
- スマートフォン製造業者
- ディスプレイメーカー
- 製品
-
- 液晶用有機材料
- カラーフィルタ用顔料
機能性顔料・特殊材料事業
- 概要
- 市場特化型の機能性材料を製造し提供。
- 競争力
- 多様な顔料機能と応用力
- 顧客
-
- 電子機器メーカー
- 自動車メーカー
- 印刷・包装資材メーカー
- 製品
-
- 機能性顔料
- 磁気テープ材料
- 特殊コンパウンド
工業用粘着テープ事業
- 概要
- 工業用途の高機能粘着製品を展開。
- 競争力
- 高耐熱・強接着技術
- 顧客
-
- 自動車部品メーカー
- 電子部品製造業
- 家電製造業
- 製品
-
- 高性能粘着テープ
- 耐熱接着剤
環境対応材料事業
- 概要
- 環境に配慮した製品群を提供し持続可能性を追求。
- 競争力
- 早期の環境対応技術開発
- 顧客
-
- 包装資材メーカー
- リサイクル関連業者
- 食品メーカー
- 製品
-
- 植物油由来インキ
- リサイクル対応接着剤
- 環境安全顔料
ヘルスケア食品事業
- 概要
- 健康志向製品としてスピルリナを主力展開。
- 競争力
- 独自のスピルリナ生産技術
- 顧客
-
- 健康食品販売店
- 通信販売会社
- ドラッグストア
- 専門店
- 製品
-
- スピルリナ製品
- 栄養補助食品
研究開発支援事業
- 概要
- 顧客の研究開発を技術面で支援するサービス。
- 競争力
- 長年の化学技術蓄積
- 顧客
-
- 製造業各社
- 学術研究機関
- 技術開発部門
- 製品
-
- 技術コンサルティング
- 共同研究プログラム
- 試験評価サービス
グローバル販売・サポート
- 概要
- 世界60か国以上での流通と顧客支援を展開。
- 競争力
- 多国展開のネットワーク
- 顧客
-
- 海外代理店
- 現地製造拠点
- 物流業者
- 製品
-
- 販売管理システム
- 物流サポート
- 現地法人支援
競争優位性
強み
- 世界トップシェアの印刷インキ・顔料技術
- グローバルな事業展開と製造拠点
- 多様な製品ラインナップと素材技術
- 長い歴史に裏打ちされたブランド力
- 戦略的なM&Aによる事業拡大
- 強固な研究開発体制
- 高品質かつ環境配慮型製品の提供
- 健康経営優良法人認定の実績
- 幅広い業界との深い取引関係
- 柔軟な顧客対応力と多様性
- 高度な素材開発力
- グローバルな販売ネットワーク
- 安定した財務基盤
- 持続可能な製品開発への取り組み
- 広範囲な製品用途カバー
競争上の優位性
- 印刷インキから機能性樹脂まで一貫生産可能で顧客ニーズに幅広く対応可能
- 60か国以上に展開しグローバルマーケットで強固な流通基盤を保有
- BASFの顔料事業取得など戦略的買収により製品群を強化
- PPSコンパウンドで世界トップシェアを誇り高機能材料市場で優位
- 食品包装インキ分野で安全規格対応製品を提供し市場競争力を確保
- 多様な業界に対応できる技術開発力と製品ポートフォリオの広さ
- 健康経営優良法人認定による社員健康管理の充実で人材確保力向上
- 環境対応製品の早期投入によるサステナブル経営の推進力
- 研究開発投資の継続で先端材料の開発スピードが速い
- 大手顧客との長期的な取引関係で安定した売上基盤を有する
- グローバルアライアンスを通じた技術共有と市場開拓力
- 多様な販売チャネルを活用し顧客の細分化ニーズに応答可能
- 地域別の研究・生産拠点により効率的な供給体制を確立
- 多様な化学製品を一社でカバーしトータルソリューション提供可能
- 強力なブランド認知を活かした市場浸透力
脅威
- グローバルな原材料価格変動によるコスト圧迫
- 海外政治リスクや為替変動の影響
- 競合他社による価格競争激化
- 環境規制の強化による製品改良コスト増加
- 新規技術・代替材料の登場による市場シェア低下可能性
- サプライチェーンの混乱リスク
- 知的財産権侵害リスク
- 健康安全関連法規変更への対応負担
- 地政学的緊張による海外事業の不確実性
- 急速な顧客ニーズ変化への対応難度
- 労働力不足による生産性低下
- 気候変動の原料供給・生産への影響
イノベーション
2021: BASF社顔料事業買収
- 概要
- ドイツBASFからColors & Effects事業を買収し、顔料事業を拡充。
- 影響
- 顔料製品の品揃え拡大と市場シェア強化。
2023: PCAS Canada Inc.全株式取得
- 概要
- 半導体フォトレジストポリマの製造・販売会社を買収し電子材料事業強化。
- 影響
- 半導体関連材料事業の拡大に寄与。
2020: 環境対応パッケージインキ開発
- 概要
- 植物油ベースの100%植物油インキを開発し、環境負荷軽減を実現。
- 影響
- 環境規制対応製品ポートフォリオ拡充。
2022: 次世代液晶カラーフィルタ顔料開発
- 概要
- 高精細液晶表示用の新カラーフィルタ顔料を開発し製品性能向上。
- 影響
- ディスプレイ市場での競争力向上。
2024: 高度機能性顔料・コンパウンド開発
- 概要
- 特殊磁気テープや高機能インキ用顔料の新素材開発を推進。
- 影響
- 新規用途市場での販売増加。
サステナビリティ
- ダウジョーンズサステナビリティインデックス構成銘柄選定(アジアパシフィック)
- 健康経営優良法人(ホワイト500)認定7年連続取得
- 100%植物油インキ等環境配慮製品の開発推進
- 製造拠点のCO2排出削減計画実施
- 包装用リサイクル対応フィルムの製品化
- 環境負荷低減のための原料調達見直し
- サプライチェーンの持続可能性調査実施
- 従業員の健康増進プログラム導入
- 廃棄物削減とリユース材料活用拡大
- 地域社会への環境教育支援プログラム運営
- 製品ライフサイクル全体の環境負荷評価強化
- 再生可能エネルギー利用促進推進