兼松
基本情報
概要
兼松は1889年創業の老舗専門商社で、電子・デバイスや食料、鉄鋼・素材分野に強みを持ち、国内外で事業を幅広く展開しています。
現状
兼松は2023年3月期に連結売上高約9114億円、営業利益389億円、純利益186億円を計上し堅調な業績を維持しています。主力の電子・デバイスや食料部門は国内外で安定した市場シェアを持ち、ICT関連事業の収益拡大が寄与しています。1990年代の経営危機から専門商社として再建を果たし、資産規模はバブル期の3分の1以下に縮減しましたが、財務の健全化に成功しています。環境・素材や車両・航空部門にも注力し、多角的な事業ポートフォリオを有しています。サステナビリティ推進やIT活用による新規事業創造にも積極的で、2024年までの中期ビジョン『future 135』で成長基盤整備を進めています。強固な国際ネットワークと長い歴史を活かし、持続可能な成長を目指す姿勢が特徴です。
豆知識
興味深い事実
- 1889年に日本初の羊毛直輸入を実現した老舗。
- かつて十大総合商社の一角を占めていた歴史を持つ。
- アディダスの日本総代理店として歴史的に活動していた。
- JPタワーに本社を置く先進的な商社である。
- 過去に1700億円の債務免除を受けて再建を果たした。
- 食料や素材分野に特化しつつ多角的展開を続ける。
- 国内外に131社の子会社を有する大型グループ企業。
- 神戸大学や一橋大学に多額の社会貢献寄付を行った歴史。
- スポーツ界の金メダリストを経営者に迎えた経験がある。
- ベトナムでの税務調査を機に修正申告を行った企業。
- 2020年にドコモショップでの不適切応対問題が発覚。
- 双日元社員による営業秘密漏洩事件に関係した企業。
- プラント設備から健康食品まで広範囲の事業領域を持つ。
- 再建以降はIT・食品系中心の専門商社として走る。
- 多様な業界に幅広い顧客基盤を有する。
隠れた関連
- 創業者は商船三井の設立にも関わり、日本貿易史に深く関与。
- 神戸大学、一橋大学、シドニー病院に社会貢献施設を寄贈。
- かつてアディダス日本代理店を務め、スポーツ用品市場に影響。
- 東京銀行(現三菱UFJ銀行)との強固な銀行関係に支えられる。
- 兼松グループ企業と連携した多角的事業展開でシナジーを創出。
- 双日と競合しながらも密接な業界関係を維持している。
- ベトナム国営企業との取引で税務問題が発生した歴史を持つ。
- JPタワー移転により丸の内の金融・商社の集積地と強い連携。
将来展望
成長ドライバー
- ICT・デバイス分野の需要拡大
- 食料安全保障と輸入食料品の需要増
- 環境・エネルギー関連素材の市場成長
- 海外新興市場における事業展開強化
- 健康・医療分野の機能性食品需要拡大
- デジタルトランスフォーメーション促進
- サステナビリティ意識の高まりによる製品需要
- グローバルサプライチェーン再構築の追い風
- 複合事業の相乗効果創出
- 先端素材開発技術の応用範囲拡大
- 自動車・航空部品分野の需要回復
- 中核顧客の成長に伴う商機拡大
戦略目標
- 電子・食料事業の売上高倍増
- 環境対応製品で市場シェア30%達成
- 海外事業比率50%以上への拡大
- CO2排出量30%削減の環境目標達成
- 健康・医療分野での新規事業創出
- DX推進による業務効率40%改善
- 持続可能な調達体制の完全構築
- 従業員多様性推進プロジェクト完遂
- グループ内シナジー最大化による利益成長
- リスクマネジメント体制の強化
事業セグメント
電子・デバイス卸売
- 概要
- 電子部品やデバイスの卸売・販売で国内外製造業を支援。
- 競争力
- グローバルネットワークを活かした迅速調達
- 顧客
-
- 製造業
- IT企業
- 産業機器メーカー
- 半導体製造メーカー
- 通信事業者
- 製品
-
- 半導体
- 電子部品
- 通信機器
- IoTデバイス
- 先端素材
食料品卸売
- 概要
- 食料原料の輸入販売及び加工食品向け供給を実施。
- 競争力
- 非遺伝子組換え原料の安定調達
- 顧客
-
- 食品製造業
- 外食チェーン
- 小売業
- 飼料メーカー
- 加工食品工場
- 製品
-
- 米・穀物
- 大豆製品
- 畜産原材料
- 水産加工品
- 調味料
鉄鋼・素材卸売
- 概要
- 鉄鋼資材や化学品を主に産業向けに供給。
- 競争力
- 多彩な素材調達と一貫物流網
- 顧客
-
- 建設業
- 製造業
- エネルギー業
- プラントメーカー
- 化学工業
- 製品
-
- 鋼材
- 産業用化学品
- 機械部品
- エネルギー機器
- 潤滑油
車両・航空関連販売
- 概要
- 車両および航空機向け部品や設備を販売。
- 競争力
- 高品質部品の安定供給体制
- 顧客
-
- 自動車メーカー
- 航空会社
- 整備工場
- 建設機械メーカー
- 政府機関
- 製品
-
- 自動車部品
- 航空機部品
- 修理用資材
- パワー機器
- 交換用部品
プラント設備販売
- 概要
- 国内外のプラント関連機器の卸売を展開。
- 競争力
- 海外連携による技術力提供
- 顧客
-
- プラント建設会社
- 化学工場
- エネルギー事業者
- 鉄鋼製造会社
- 環境関連企業
- 製品
-
- プラント機器
- 配管材
- 制御装置
- 環境機器
- 安全装置
健康食品・医療情報サービス
- 概要
- 機能性表示食品の開発と医療関連情報提供を実施。
- 競争力
- 高い商品開発力と専門知識
- 顧客
-
- 医療機関
- 製薬会社
- 健康食品販売店
- 一般消費者
- 研究機関
- 製品
-
- 機能性食品
- 医療情報ソリューション
- 健康補助食品
- 解析サービス
- 研究支援ツール
競争優位性
強み
- 長い歴史と安定した企業基盤
- 多分野にわたる事業多角化
- 国際的な調達・販売ネットワーク
- 専門商社としての高い技術力
- 強固な取引先基盤
- 積極的な経営再建の実績
- 財務体質の健全化
- 多様な顧客ニーズへの対応力
- 国内外の現地法人活用
- 環境・社会対応への取り組み
- 強いサプライチェーンマネジメント
- 企業グループとしての連携体制
- 迅速な市場変化対応力
- 最新技術の導入推進
- 経営陣の高い専門知識と経験
競争上の優位性
- 電子デバイス分野での専門性の高さ
- 食料分野での非資源原料調達力
- 多様な産業向けに広範な商材提供が可能
- バブル崩壊後の経営再建成功の信頼性
- 地域・国際両面の営業ネットワークの充実
- 高機能素材の提供による差別化
- 環境対応型製品・サービス開発力の強み
- 複数業界に渡る顧客ニーズの把握能力
- グループシナジーを活用した総合力
- 専門商社としての柔軟な事業展開
- 国内市場への深い浸透度
- 高度な品質管理体制の確立
- IT・ICTの積極的活用による効率化
- 顧客密着型の営業体制
- 新規分野開拓に向けた組織的取組み
脅威
- 原材料価格の急激な変動
- 国際的な貿易摩擦・関税引き上げ
- 為替レートの変動リスク
- 競合他社による価格競争激化
- 技術革新の速さに対する対応遅れ
- 環境規制強化によるコスト増大
- 地政学的リスクによる海外事業影響
- 自然災害等によるサプライチェーン混乱
- 主要取引先の業績悪化リスク
- サイバー攻撃や情報漏洩リスク
- 労働力不足による人材確保難
- 社会的信用低下によるブランド毀損
イノベーション
2022: JPタワー本社移転完了
- 概要
- 東京・千代田区のJPタワーへ本社を移転し、最新設備を導入。
- 影響
- コミュニケーション効率と企業イメージ向上。
2021: トレードワルツへの出資
- 概要
- ブロックチェーン技術を活用した貿易管理事業に資本参加。
- 影響
- 貿易取引の透明性と効率性を強化。
2023: 機能性表示食品の開発
- 概要
- 兼松ウェルネスが新たな健康補助食品を市場投入。
- 影響
- 新市場獲得と収益拡大に寄与。
2024: ICT事業強化による増益達成
- 概要
- ICT関連部門が拡大し連結利益に大きく貢献。
- 影響
- 9%増益達成に寄与。
2020: 海外事業の現地法人統合
- 概要
- 欧州並びにアジアの現地法人統合で経営効率化。
- 影響
- 経営スリム化と事業連携の強化。
2021: 大豆及び米の輸入拡大
- 概要
- 東南アジア産米と非遺伝子組換え大豆の調達強化。
- 影響
- 食料事業の拡大と安定供給の実現。
2023: デジタルトランスフォーメーション推進
- 概要
- 社内業務のデジタル化による生産性向上施策を実施。
- 影響
- 業務効率の約20%向上を実現。
2022: プラント関連環境対応機器導入
- 概要
- 環境規制対応型の新設備を導入し競争力強化。
- 影響
- 環境負荷低減で顧客満足度向上。
2024: 健康・医療分野のサービス拡充
- 概要
- 兼松ウェルネスが医療情報サービスを拡大中。
- 影響
- 当該市場シェアの拡大に寄与予定。
2023: ESG投資方針策定
- 概要
- 企業価値向上のためのESG投資戦略を確立。
- 影響
- 投資家からの評価向上を期待。
サステナビリティ
- CO2排出削減目標の設定と実行
- 持続可能な調達方針の推進
- 廃棄物削減・リサイクル強化
- 地域社会に対する環境教育支援
- ESG要素を考慮した投資推進
- 従業員の環境意識啓発活動
- 省エネルギー設備の導入促進
- 自然環境保護団体との協働活動
- 社会的責任報告書の定期発行
- ステークホルダーとの対話強化
- 安全衛生管理体制の強化
- 女性活躍推進と多様性の尊重