シャープ
基本情報
概要
シャープは1935年設立の日本の電気機器メーカーで、液晶技術を基盤にグローバル展開し、鴻海精密工業の傘下で幅広い電子部品と家電製品を手掛けています。
現状
シャープは2022年3月期に連結売上高約2兆5千億円、営業利益約847億円、純利益約740億円を計上しました。主力の液晶パネル事業は生産効率向上を図りつつ、2024年末までに液晶パネル生産を縮小しており、重点分野は電子部品や健康関連製品に移行しています。鴻海精密工業の支援を受け、堺市に本社を置き、経営改革と組織再編を進めています。更に、技術革新に注力しAI搭載製品開発を推進、また環境配慮の製品開発や生産工程の省エネ化を推進しています。経営基盤強化とデジタルトランスフォーメーションにより、2030年までの持続的成長を目指しています。
豆知識
興味深い事実
- 社名の由来は創業者が発明したシャープペンシルから。
- 液晶技術のシャープとして世界的に知られる。
- 早川徳次創業者の歴史的な家庭用電子レンジの開発。
- 世界最大級の第10世代液晶パネル工場を展開。
- 日本初のフロントローディング式VHSビデオデッキの製造。
- 独自のバイオミメティクス技術『ネイチャーテクノロジー』を推進。
- 液晶技術を韓国・台湾に供与しグローバルな影響力を持つ。
- 鴻海精密工業傘下入りにより経営再建に成功。
- 電子辞書『Brain』は国内トップシェアを誇る。
- 掃除機のプラズマクラスター表示で消費者庁から措置命令を受けたこともある。
隠れた関連
- 鴻海精密工業との資本・経営提携により台湾系企業の経営ノウハウを導入。
- 日本の主要自動車メーカーとの複数の電子部品供給関係を持つ。
- セレッソ大阪のユニフォームスポンサーを務めるスポーツ関連連携。
- 歴代社長の多くが血縁関係にあった時期がある独特の企業文化。
- 東芝クライアントソリューションズの株式取得によりパソコン事業の再編を推進。
- 日本の高機能液晶テレビと米国の放送技術への影響力を持つ。
- 国内の複合機市場で主要なプレーヤーとして君臨している。
- 1970年代から続くCMコピー『目の付けどころが、シャープでしょ。』は業界の定番フレーズ。
将来展望
成長ドライバー
- AI・IoT技術の統合によるスマート家電市場拡大
- 5G・次世代通信機器の需要急増への対応
- 環境対応・省エネルギー技術の強化
- 電子部品分野における高機能素材開発と応用
- グローバルネットワークによる海外市場の開拓
- ヘルスケア・ウェルネス関連製品の成長
- サステナブル製品の需要増加
- 事業ポートフォリオの戦略的再編成
戦略目標
- 液晶から電子部品・健康機器へ焦点を転換し収益多様化
- AI搭載製品の売上比率を全体の30%以上に引き上げる
- グリーン製品の環境性能を更に向上し業界トップを維持
- 海外売上比率を50%以上に拡大しグローバル競争力強化
- 事業拠点のアセットライト化を推進し資本効率向上
- 新規事業の開発スピードを加速し市場リーダーとなる
- 従業員の能力開発と働きやすい環境整備を充実
- サプライチェーンの強靭化とデジタル化の推進
- 社会貢献と持続可能性への取り組みを全社的に拡大
- 顧客満足度とブランド価値の向上を継続的に達成
事業セグメント
電子部品製造
- 概要
- 先端液晶技術と半導体技術を活かし多種多様な電子部品を提供。
- 競争力
- 高精度液晶技術とIGZOの独自技術力。
- 顧客
-
- スマートフォンメーカー
- 家電メーカー
- 自動車メーカー
- 産業機器メーカー
- 半導体メーカー
- 製品
-
- 液晶パネル
- IGZOパネル
- イメージセンサー
- 半導体デバイス
- タッチパネル
情報・通信機器
- 概要
- 有線・無線通信機器およびシステムの設計・製造・販売。
- 競争力
- 長年の通信技術と信頼性の高いソリューション。
- 顧客
-
- 通信事業者
- 企業ネットワーク
- 公共機関
- 通信機器代理店
- 製品
-
- 通信装置
- 受信機
- 交換機
- ルーター
- アンテナ
業務用OA機器
- 概要
- オフィスの効率化を支援する先進OA機器群を提供。
- 競争力
- 多機能製品とサービスのトータルソリューション。
- 顧客
-
- 企業オフィス
- 教育機関
- 官公庁
- 製品
-
- 複合機
- プリンター
- スキャナー
- 電子黒板
- デジタルサイネージ
業務用ロボット
- 概要
- 業務支援に特化したサービスロボットの開発・製造。
- 競争力
- 独自のロボット技術と多様な業務適応力。
- 顧客
-
- 警備会社
- 接客サービス業
- 物流業者
- 製品
-
- サービスロボット
- 業務用歩行支援ロボット
太陽光発電システム
- 概要
- 環境配慮型の太陽光発電及び関連商品を製造。
- 競争力
- 高効率太陽電池と環境対応技術。
- 顧客
-
- 建設会社
- エネルギー企業
- 工場
- 製品
-
- 太陽電池パネル
- ソーラーパネルシステム
調理・生活家電
- 概要
- 快適生活のための革新的な家庭用家電を提供。
- 競争力
- 高品質な省エネ技術と独創的機能。
- 顧客
-
- 家電販売店
- 飲食業
- 宿泊業
- 製品
-
- 電子レンジ
- 冷蔵庫
- 空気清浄機
- 掃除機
- 洗濯機
パソコン・周辺機器
- 概要
- 情報処理を支援する幅広いPC製品を展開。
- 競争力
- 液晶技術を活かした鮮明な表示装置。
- 顧客
-
- 企業
- 教育機関
- 個人ユーザー
- 製品
-
- ノートパソコン
- タブレット端末
- プリンター
電子機器メンテナンス・サポート
- 概要
- 製品の信頼性向上を目的としたメンテナンス事業。
- 競争力
- 全国展開のサポート体制。
- 顧客
-
- 一般消費者
- 企業ユーザー
- 公的機関
- 製品
-
- 製品保守サービス
- 技術サポート
- 部品供給
衛生用品製造
- 概要
- 新型コロナウイルス対策として高品質マスク生産を展開中。
- 競争力
- 迅速な生産立ち上げと品質管理。
- 顧客
-
- 医療機関
- 一般小売
- 飲食店
- 製品
-
- マスク
- 衛生関連消耗品
産業用太陽光発電システム
- 概要
- 産業施設向けに環境配慮型の太陽光発電を提供。
- 競争力
- 統合的エネルギーソリューション技術。
- 顧客
-
- 工場
- 商業施設
- 公共施設
- 製品
-
- 産業用ソーラーシステム
- エネルギーマネジメントシステム
AI関連製品開発
- 概要
- AI技術を搭載した先進的製品群の研究開発。
- 競争力
- 液晶技術と融合した高度なAI応用。
- 顧客
-
- 製造業
- ICT企業
- サービス業
- 製品
-
- AI家電
- 画像処理LSI
- 音声認識技術
業務用電子機器
- 概要
- 業務効率化を支援する高信頼性電子機器を提供。
- 競争力
- 強固な顧客基盤と先進技術。
- 顧客
-
- コンビニエンスストア
- 金融機関
- 官公庁
- 製品
-
- 電子レジスタ
- 業務用コピー機
- デジタルサイネージシステム
競争優位性
強み
- 先進的な液晶表示技術とIGZOのコア技術
- 多様な家電製品群とブランドの構築
- 鴻海グループの資本と経営支援
- グローバルな製造・販売ネットワーク
- 独自のバイオミメティクス技術「ネイチャーテクノロジー」
- 高い研究開発力と技術革新の伝統
競争上の優位性
- 液晶テレビにおける高品質8K・4K製品の市場優位
- 独創的な家電技術(ウォーターオーブン、プラズマクラスター)
- 多様な業務用機器・部品の供給体制
- 鴻海による資本注入と経営改革による財務健全化
- 幅広い製品ラインアップによる顧客ニーズ対応力
- 強固な国内外のサプライチェーンネットワーク
脅威
- 液晶パネル市場の激しい国際競争と価格競争
- 技術流出や他社技術の台頭による競争圧力
- 世界的な景気変動による需要の不確実性
- 為替変動によるコストと利益率への影響
- サステナビリティ関連規制強化による負担増加
- グローバルなサプライチェーンの混乱リスク
- 人口減少や市場成熟による国内需要の低迷
- デジタル家電の急速な技術変化と対応の遅れ
イノベーション
2020: シャープディスプレイテクノロジー分社化
- 概要
- 液晶パネル事業の効率化と資金調達を目的に分社化を実施。
- 影響
- 経営効率の向上と資金調達基盤の強化を実現。
2021: カメラモジュール事業の分社化
- 概要
- 先進的イメージセンサー技術を活かした事業強化のため分社化。
- 影響
- 専門性向上と市場対応力強化に寄与。
2022: AI搭載家電製品の開発・販促拡大
- 概要
- 人工知能技術を搭載した電子レンジなどの家電を発売。
- 影響
- 製品競争力向上と新市場創出。
2023: ソフトバンク・積水化学・KDDIとの協業
- 概要
- 工場土地売却とAIデータセンター建設に向けた基本合意。
- 影響
- 資産のアセットライト化と収益多様化。
2024: テレビ向け液晶パネル生産停止
- 概要
- 堺工場でのテレビ用液晶パネル生産を2024年8月に終了。
- 影響
- 経営資源を成長領域に集中可能に。
サステナビリティ
- 工場での排水100%再利用による環境負荷低減
- 太陽光発電システムの導入と拡充
- 製品の省エネ・省資源設計強化
- プラズマクラスター技術の環境改善応用
- 地域社会との協働による環境保全活動推進