日立製作所
基本情報
概要
日立製作所は1920年創業の日本最大の総合電機メーカーであり、技術力を軸に多角的な事業展開を行うグローバル企業です。
現状
日立製作所は2024年3月期に連結売上高9兆7,287億円、営業利益7,558億円を達成し、日本国外からの売上比率が59%に上る多国籍企業である。主にIT、グリーンエナジー&モビリティ、コネクティブインダストリーズの3つの事業体制を中心に事業を推進している。鉄道システムの分野では世界唯一の車両から信号・運行管理まで一貫製造が可能で、英・伊の鉄道関連子会社と強い連携を持つ。半導体製造装置やヘルスケア分野もグループ会社が担い、白物家電は日立グローバルライフソリューションズが展開している。近年は事業ポートフォリオの選択と集中を掲げ、約半数の上場子会社がグループ外に離脱し、経営効率化を進めている。技術革新への多額投資に加え、サステナビリティ活動も強化し、2030年に向けた戦略的成長や環境配慮製品の開発に注力している。国内主要銀行や関連財閥グループとも深い結びつきを持ち、社会イノベーションの牽引役としての役割も期待されている。
豆知識
興味深い事実
- 創業時は鉱山機械修理から始まった企業。
- 鉄道事業で車両から信号機まで一社完結の世界唯一の企業。
- 1947年までは創業者・小平浪平が社長を務めた。
- 日立の社標は亀の甲のモノグラムで知られる。
- 国内他大手電機メーカーとともに電電ファミリーの一角を形成。
- 『いい日旅立ち』のキャンペーンに協賛したことがある。
- スポーツチームの柏レイソルの大株主であり運営を支援。
- 日立の樹はハワイオアフ島の有名なモンキーポッドの木。
- 2009年の経営改革で収益体質の大幅改善に成功。
- 高度な技術力に裏付けられたグループ企業との連携体制。
隠れた関連
- 日立グループは複数の主要財閥系資金グループ(芙蓉、三和、春光)と長期的な関係を持つ。
- 日立は日産コンツェルン出身で、自動車部品分野で日産自動車と特に深い関係にある。
- 経営改革期には連結子会社の再編と売却を進めて、財務健全性を高めている。
- かつてはIT機器生産から撤退し、システム開発やインフラサービスに注力している。
- 日立製作所の広告曲『日立の樹』は多くのテレビ・ラジオで長年使われているブランドシンボルである。
- 日立製作所には創業者の精神を伝える生誕150周年記念プロジェクトがある。
- 子会社の日立ハイテクは半導体製造装置の分野で中心的役割を担っている。
- 京葉銀行など地域金融機関と連携しIT人材の自社育成に取り組んでいる。
将来展望
成長ドライバー
- 量子コンピューティングと航空機分野の先進技術開発
- グリーンエネルギーと環境技術への課題解決型投資
- 鉄道及びモビリティシステムのグローバル需要増加
- デジタル社会を支えるIT・IoTプラットフォームの拡充
- サステナビリティと社会イノベーション重視の企業戦略
- 自動車部品分野における電動化・自動運転技術の成長
- 製造業のデジタル化・スマートファクトリー推進
- 新興国市場におけるインフラ整備と産業拡大
- グループ各社間の連携強化によるシナジー創出
- 先端医療機器とヘルスケア関連サービスの需要増加
- 環境規制強化に対応した省エネ・低炭素製品の開発
- グローバルなM&Aや協業による事業多角化推進
戦略目標
- 次世代技術の事業化による収益源多様化
- 海外売上比率60%以上の実現
- 全事業におけるCO2排出量50%削減
- グリーンエネルギー関連売上高倍増
- 鉄道事業売上高1兆円超の達成
- デジタルソリューション事業の市場リーダー化
- サステナブル認証商品比率80%以上
- スマートモビリティ市場への積極参入
- グループ内シナジー最大化による効率化推進
- 多様な人材が活躍するダイバーシティ推進
事業セグメント
ITサービス
- 概要
- 企業のDX推進を支える総合ITサービスを提供。
- 競争力
- 独自のLumadaプラットフォームでIoTを展開。
- 顧客
-
- 大企業
- 公共機関
- 金融機関
- 製造業
- 流通業
- 医療機関
- 製品
-
- システムインテグレーション
- クラウドサービス
- アウトソーシング
- ERPパッケージ
- データセンターサービス
エネルギーシステム・インフラ
- 概要
- 高効率・環境対応型エネルギーインフラを提供。
- 競争力
- 世界最大級の送配電事業規模を有する。
- 顧客
-
- 電力会社
- 公共団体
- 産業施設
- 海外政府・企業
- 製品
-
- 原子炉システム
- パワーグリッド機器
- 送配電設備
- 再生可能エネルギーシステム
- 蓄電池
産業機器
- 概要
- 高品質な産業用機器と設備の設計・製造を行う。
- 競争力
- 長期信頼性と最適エネルギー効率。
- 顧客
-
- 製造業
- 物流企業
- 建設業
- 設備管理会社
- 製品
-
- モーター
- ポンプ
- 建設機械
- 油圧機器
- 空調機器
モビリティ
- 概要
- 鉄道及び次世代モビリティのトータルソリューション。
- 競争力
- 車両から信号まで一貫生産可能な世界唯一の企業。
- 顧客
-
- 鉄道事業者
- 一般企業
- 海外インフラプロジェクト
- 製品
-
- 鉄道車両
- 信号システム
- 交通管理ソリューション
- EVバスシステム
- 蓄電・充電設備
半導体製造装置
- 概要
- 最先端半導体製造装置の企画・開発・販売を担う。
- 競争力
- 先端技術の集積と高精度製造技術。
- 顧客
-
- 半導体メーカー
- 電子部品製造企業
- 製品
-
- エッチング装置
- 塗布装置
- 検査装置
- 露光装置
ヘルスケア
- 概要
- 医療画像診断装置の開発・販売を手掛ける。
- 競争力
- 高信頼性と精度の医療機器技術。
- 顧客
-
- 医療機関
- 研究機関
- 福祉施設
- 製品
-
- MRI装置
- CTスキャナー
- 超音波検査機器
- 診断ソフトウェア
生活・エコシステム
- 概要
- 環境調和型のビル・住宅設備ソリューションを提供。
- 競争力
- 省エネ技術を組み合わせたトータル提案。
- 顧客
-
- 住宅設備会社
- 建築業者
- 環境ソリューション提供者
- 製品
-
- 空調設備
- 太陽光発電システム
- 省エネ照明
- 住宅用蓄電池
金融サービス
- 概要
- 設備関連のリースサービスや金融商品を提供。
- 競争力
- 事業連携による効率的なファイナンス。
- 顧客
-
- 企業
- 個人顧客
- 製品
-
- リース・レンタル
- クレジットサービス
物流サービス
- 概要
- グローバル物流と倉庫管理のシステム提供。
- 競争力
- 高度な物流システムとネットワーク。
- 顧客
-
- 製造業
- 小売業
- 輸送・運送業者
- 製品
-
- 国際物流
- システム物流
- 倉庫管理
建設機械
- 概要
- 高性能建設機械の開発と販売。2022年に持分法関連会社へ。
- 競争力
- 技術力と信頼性の高い建設機械。
- 顧客
-
- 建設業者
- 土木工事会社
- 製品
-
- 油圧ショベル
- ブルドーザー
- 舗装機械
自動車部品
- 概要
- 自動車用電子制御部品及びシステムの製造・供給。
- 競争力
- 競争力ある先進自動車技術。
- 顧客
-
- 自動車メーカー
- 部品メーカー
- 製品
-
- 電子制御システム
- 4WDシステム
- 電装品
産業用ロボット・サービス
- 概要
- 産業及び商業用ロボットの開発及び提供。
- 競争力
- 多様なニーズに応えるロボット技術。
- 顧客
-
- 製造業
- サービス業
- 製品
-
- 業務用ロボット
- サービスロボット
競争優位性
強み
- 多角的な技術力と研究開発力
- 世界的な販売と製造ネットワーク
- 多国籍かつ多業種の事業展開
- 持続可能な社会を目指す経営姿勢
- 強固な国内外の金融・産業連携
競争上の優位性
- 鉄道車両から信号システムまで一貫対応可能
- 先進的なITソリューションとIoT技術の融合
- 総合電機分野で日本最大規模を誇る
- エネルギー分野で世界最大規模の送配電事業
- グループ内外の強固な企業連携と資本関係
- 研究開発拠点「中央研究所」の高い成果
- 先端半導体製造装置の技術力
- 豊富な経験と実績を有する自動車部品事業
脅威
- グローバルな競争激化と価格競争
- 急速な技術革新への対応遅延リスク
- 経済・為替変動による業績影響
- 環境規制強化による事業調整負担
- 一部事業の海外移管や再編による影響
- 人口減少に伴う国内市場縮小リスク
イノベーション
2024: 量子技術分野への大規模投資
- 概要
- 量子コンピュータ及び関連技術の研究開発に1兆円規模の資金を投入。
- 影響
- 次世代テクノロジー分野での競争力強化。
2024: エレベーターの新研究施設開設
- 概要
- 最新の技術研究のため、茨城県に世界最大級の高層エレベーター研究塔G1TOWERを活用した施設を開設。
- 影響
- エレベーター・エスカレーター技術の高度化推進。
2023: 英国の電動モビリティ事業強化
- 概要
- ファーストグループとの合弁会社設立により、電動バス用蓄電池調達と管理システム提供を加速。
- 影響
- 欧州市場でのモビリティ事業拡大。
2022: 日立エナジー完全子会社化
- 概要
- ABBパワーグリッド事業を買収し日立エナジーを完全子会社化しエネルギー分野を強化。
- 影響
- 送配電設備市場で世界最大規模の地位獲得。
2024: 情報基盤サービスの再編
- 概要
- ITプロダクツ部門を日立ヴァンタラとして分割し、データインフラ事業のグローバルリーダーを目指す。
- 影響
- 市場競争力の強化とサービス品質向上。
サステナビリティ
- 年間1億トンCO2排出抑制の目標設定
- エネルギー効率の高い製品開発促進
- 持続可能なサプライチェーン実践
- 再生可能エネルギー事業の積極展開
- 地域社会との共生を重視した活動