高島屋
基本情報
概要
高島屋は1919年創業の老舗大手百貨店で、日本を代表する小売業として全国に大型店舗を展開し、多様な小売業態と不動産関連事業を展開しています。
現状
高島屋は2023年2月期に連結売上高4,434億円、純利益278億円を計上し、東阪を拠点に全国に大型百貨店を展開しています。高島屋は関西を地盤としているものの関東、中京圏でも主要店舗を構え、業界内では三越伊勢丹に次ぐ規模の独立系百貨店として位置しています。近年ではインバウンド需要の取り込みやショッピングセンター化による小売から不動産事業へのポートフォリオ変換に注力しています。百貨店業界の再編が進む中で業務提携は行っているものの経営統合は行わず独立性を維持しています。店舗面積の増床やリニューアルを積極的に実施し、2023年の全国百貨店店舗別売上高では大阪店が1,591億円で4位を維持。資本金は約660億円、従業員数は連結で約6,900名に及び、大型専門店や複合商業施設運営を強化しています。今後はサステナビリティや顧客ハラスメントへの対応を強化するとともに、デジタル化や多様な事業展開で競争力の維持・向上を目指しています。
豆知識
興味深い事実
- 包装紙のバラは1952年から高島屋のシンボル
- 日本橋店の本館は国の重要文化財に指定されている
- 大手百貨店で唯一独立系を維持し続けている
- 大阪店東別館は重要文化財に指定されている
- 玉川髙島屋は日本初の本格的郊外型ショッピングセンター
- 新宿タイムズスクエアは東京で最も新しい百貨店店舗
- 大宮店は首都圏における多店舗モデルの先駆け
- 堺店は2026年に閉店予定で駅ビルに代わる施設整備が計画
- 高崎店と岡山店は連結子会社として運営されている
- 海外には上海、タイ、シンガポール、ベトナムに進出している
- 歴代の店舗で閉店した場所も多く、経営環境に柔軟対応
- テレビ番組へのスポンサー実績が豊富
- 長年にわたり多様な事業関連企業を持つグループ
- 創業者は京都で1831年に古着・木綿商として起業した
- 多くの地域百貨店と業務提携を結びハイランドグループを形成
隠れた関連
- 三菱UFJ銀行や三井物産など三菱グループとの強固な資本関係を持つ
- 相模鉄道及び相鉄ローゼンとの連携により横浜エリアを強化
- JR東海が筆頭株主のジェイアール名古屋タカシマヤを子会社化
- ダイハツ工業や田辺三菱製薬など製造業とも持株関係がある
- 独自のクレジットカードを発行し顧客囲い込みを図る
- 歴史的建築物を店舗として活用し文化的価値を高めている
- テレビショッピング事業を早期から展開しメディア露出が多かった
- 合併せず独立系百貨店の道を維持し業界内で異彩を放つ
将来展望
成長ドライバー
- ショッピングセンター化による不動産収益の増加
- インバウンド需要回復と多言語対応サービス強化
- デジタル化による顧客体験の向上
- 地域密着型店舗展開の深化
- サステナブル消費者からの支持拡大
- 新規業態やサービスの拡充
- クレジットカード等金融事業の収益安定化
- オンラインとオフラインの融合による販路拡大
- 文化資産活用によるブランド強化
- 既存店舗のリニューアルを通じた売上規模拡大
- 提携先との共同事業や資本関係の見直し
- 高齢化社会に対応した新商品開発
戦略目標
- ショッピングセンター化事業の収益比率50%達成
- インバウンド売上をコロナ前比で回復し成長軌道に入れる
- DX推進による販売効率20%向上
- 地域に根ざした店舗数増加と当地域貢献の強化
- サステナビリティ目標:省エネ・廃棄物削減を継続推進
- 従業員満足度90%以上の持続的達成
- 女性管理職比率30%以上の実現
- 新規業態創出による売上高年間500億円規模達成
- 高島屋ブランドの国内外認知度拡大
- クレジットカード事業の利用者数拡大
事業セグメント
不動産開発・管理
- 概要
- 自社運営の商業施設やビルの開発・管理を行う。
- 競争力
- 長年の商業施設運営実績
- 顧客
-
- テナント企業
- 不動産投資家
- 商業施設運営者
- 製品
-
- 商業施設運営
- ショッピングセンター管理
- 賃貸管理・ビルメンテナンス
金融サービス
- 概要
- 子会社による百貨店関連のクレジットカード等金融サービスを提供。
- 競争力
- 百貨店顧客基盤を活かした顧客管理
- 顧客
-
- 個人顧客
- 法人顧客
- 提携企業
- 製品
-
- タカシマヤカード
- クレジットサービス
- ポイントプログラム
物流・配送サービス
- 概要
- 効率的な物流で店舗運営を支援する。
- 競争力
- 全国ネットワークによる迅速配送
- 顧客
-
- 自社店舗
- メーカー
- 物流パートナー
- 製品
-
- 商品配送
- 在庫管理
- 物流最適化サービス
専門店運営および施設管理
- 概要
- ショッピングセンター内専門店街の運営と管理を行う。
- 競争力
- 多様なテナント構成による集客力
- 顧客
-
- 専門店ブランド
- ショッピングセンター運営企業
- 消費者
- 製品
-
- 専門店街運営
- テナント募集・管理
- 店舗運営支援
建装事業
- 概要
- 店舗の建装工事や維持管理を専門的に行う。
- 競争力
- ノウハウを活かした効率的施工
- 顧客
-
- 自社店舗
- 外部商業施設
- 施工業者
- 製品
-
- 店舗の内装設計施工
- 改装工事
- メンテナンス
法人向け販売
- 概要
- 法人ニーズに特化した商品とサービスを展開する。
- 競争力
- 豊富なブランドと商品ラインナップ
- 顧客
-
- 法人顧客
- 販売代理店
- 地域百貨店
- 製品
-
- 贈答品の法人販売
- イベント企画
- 商品調達支援
インバウンド観光対応
- 概要
- 訪日外国人向けサービスの提供と免税対応を推進。
- 競争力
- 中国旅行会社との提携強化
- 顧客
-
- 訪日外国人観光客
- 旅行代理店
- 地域観光事業者
- 製品
-
- 税免除サービス
- 多言語対応
- 特化商品の企画
競争優位性
強み
- 老舗としての高いブランド信頼性
- 全国に広がる大型店舗網
- インバウンド対応の充実
- 不動産開発・管理事業の展開
- 多様な業態展開による安定収益基盤
- 強固な顧客基盤と会員制度
- 文化財店舗の歴史的価値
- 地方百貨店との連携強化
- デジタライゼーションの推進
- 長期にわたる財務の安定性
- 地域密着型店舗運営
- 多様なブランド展開
- ショッピングセンター化での収益多角化
- 専門性の高い建装事業
- 業界内競争における独立性
競争上の優位性
- 東阪に基幹店を置く業界最大級の独立系百貨店
- 建装・不動産開発関連子会社による施設運営の強み
- 大型ショッピングセンターを活用した幅広い顧客層の獲得
- インバウンド需要に対応した各種割引やサービスの展開
- 高島屋カードなど顧客囲い込み施策の充実
- 文化財指定店舗など歴史的価値の高い店舗運営
- 豊富なブランドの取り扱いと専門店運営
- 長期間の業務提携により安定した資本関係を保持してきた
- 地域に根ざした百貨店の運営ノウハウと幅広い店舗ネットワーク
- 物流・テレビショッピングなど多角的な販売チャネルの活用
- 顧客対応力向上のためのハラスメント対策等の先進的施策
脅威
- 少子高齢化による百貨店市場の縮小
- EC市場の急速な成長による実店舗売上減少
- 新型コロナウイルスの影響でインバウンド需要の変動
- 他小売業種との競合激化
- 不動産賃料上昇や契約交渉の難航
- 流通再編による競合企業の統合・再編
- 地域商業活性化の困難さ
- 消費者行動の多様化とニーズの変化
- 環境規制や持続可能性要請の強化
- 新規事業開発への投資リスク
- ブランドイメージの維持困難
- 労働力不足と人材確保の課題
イノベーション
2023: 日本橋髙島屋S.C.の全面リニューアル開業
- 概要
- 2019年から続く大規模再開発により最新の複合商業施設として再生。
- 影響
- 集客力向上と顧客滞在時間の増加を実現。
2023: 立川髙島屋S.C.の百貨店区画営業終了と全館専門店化
- 概要
- 全店専門店化によってショッピングセンター化を加速し事業構造を変革。
- 影響
- 賃料収入の安定化と収益多様化を達成。
2022: 資本提携解消とH2Oリテイリングとの関係見直し
- 概要
- 独立性維持のため業務提携に留め資本関係を解消した。
- 影響
- 経営の柔軟性向上と資本コスト削減。
2020: 大阪店東別館のサービスレジデンス開業
- 概要
- ホテル業態を導入し多様な顧客ニーズに対応。
- 影響
- 収益源の多角化に寄与。
2021: カスタマーハラスメント対策基本方針の公表
- 概要
- 従業員の安全確保と顧客対応の質向上を目指す方針を策定。
- 影響
- 労働環境改善と顧客満足度の維持。
サステナビリティ
- 店舗の省エネ設備導入
- 廃棄物削減とリサイクル推進
- 地域社会との連携による環境保全活動
- カーボンニュートラル実現へ向けた取組強化
- サプライチェーンの環境負荷低減