PHCホールディングス
基本情報
概要
PHCホールディングスは2013年設立のグローバルヘルスケア企業で、医療機器・ヘルスケアIT・ライフサイエンス事業に強みを持つ国内リーダーです。
現状
PHCホールディングスは2023年3月期に連結売上高約3564億円、営業利益200億円を計上する一方、のれん代負担の影響で純損失約30億円となりました。主力の医療機器分野では血糖測定システムや超低温冷凍庫で国内首位の市場シェアを持ち、世界的ニッチトップの地位を確立しています。近年はサーモフィッシャーサイエンティフィック病理事業の買収や富士フイルムからの電子カルテ事業取得など、事業拡大を積極的に推進。COVID-19禍で超低温冷凍庫需要が急増し製造現場はフル稼働状態です。財務面では多額の買収負債の圧縮が課題ですが、技術革新や海外展開による成長が期待されます。中期経営計画「Value Creation Plan」により2024年度までの収益改善と医療IT強化を重視。東京証券取引所プライム市場上場企業として、ヘルスケア領域での競争力維持と持続的成長を図っています。
豆知識
興味深い事実
- PHCは超低温冷凍庫で世界第2位、国内第1位のシェアを誇る
- 松下寿電子工業の歴史を源流とする医療機器専門メーカー
- COVID-19ワクチンの保管に必須の機器を提供し社会的貢献を果たす
- 独自のVX方式ビデオ規格開発に携わった企業の流れを継承
- コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)など著名ファンドが主要株主
- 国内の病理診断用機器市場におけるサーモフィッシャーサイエンティフィックに次ぐ重要プレイヤー
- 世界アンチ・ドーピング機構(WADA)認定のドーピング検査を提供する唯一の日本企業
- 豊富な買収を積極的に行い、事業多角化と成長を推進
- 愛媛県東温市にある本店は旧松下寿電子工業の歴史的拠点
- 電子カルテ分野へも積極的に進出し医療IT市場を拡大中
- 国内医療機器企業の中で医療用試薬・検査薬の製造も行う稀有な存在
- 多数の子会社を通じて臨床検査事業や健康診断支援も展開
- 従業員数は約9400人と医療機器メーカーとして大規模
- 新本社は東京都千代田区の第一生命日比谷ファーストビルに位置
- 企業名のPHCはPrecision Healthcare Corporationの略称に由来
隠れた関連
- 元パナソニックの子会社として培った技術と経営資源を継承し独立後も関係を維持
- KKRをはじめとする複数の大手ファンドが株主として経営基盤を支える
- サーモフィッシャーサイエンティフィックから病理事業を買収し世界的に重要プレイヤーに躍進
- 富士フイルムの電子カルテ事業買収で医療IT分野の強化を図る戦略的関係
- 子会社を通じて世界アンチ・ドーピング機構公認の検査を提供する日本唯一の企業
- 超低温冷凍庫の製造拠点は元三洋電機の業務用冷蔵庫部門から承継した工場に所在
- ヘルスケア分野に特化したファンドの出口戦略で2021年に東証上場した経緯
- 糖尿病関連製品は市場標準となる技術を持ち国内外複数の関連企業と連携
将来展望
成長ドライバー
- 世界的な高齢化による医療機器需要増加
- COVID-19で需要拡大した超低温冷凍庫の継続需要
- 医療IT・電子カルテ分野のIT化推進
- ライフサイエンス研究分野への設備投資増加
- 臨床検査受託業務の拡大と多様化
- 海外市場での販売ネットワーク強化
- 新製品開発による競争力向上
- 買収による事業多角化とシナジー創出
- サステナビリティ対応商品・サービスの開発
- デジタル化とデータ解析技術の高度化
- パートナーシップ強化による新規市場参入
- 健康管理・予防医療ソリューションの需要増
戦略目標
- 医療機器市場でのトップクラスのグローバルプレゼンス確立
- サステナブル製品比率70%以上への向上
- 売上高5000億円超の達成
- 医療IT・ライフサイエンス分野での製品多角化
- 研究開発投資の増強による革新的技術創出
- デジタルヘルス領域の拡大
- グローバルな環境負荷低減と脱炭素目標達成
- 多様性・包括性の促進と人材育成強化
- 医療機関との強固なパートナーシップ構築
- 地域社会への持続可能な貢献強化
事業セグメント
医療機器製造・販売
- 概要
- 多様な医療機器の開発・製造・販売とサービスを提供。
- 競争力
- 国内外で高い技術力とブランド認知度を維持。
- 顧客
-
- 病院
- 診療所
- 医療機器ディーラー
- 製薬会社
- 検査機関
- 製品
-
- 血糖測定システム
- 超低温冷凍庫
- 臨床検査機器
- 病理用診断機器
医療ITソリューション
- 概要
- 医療現場の効率化と質向上を支援するITシステム。
- 競争力
- 医療機器と連携したワンストップソリューション。
- 顧客
-
- 医療機関
- 薬局
- 健診センター
- 製薬企業
- 製品
-
- 電子カルテ
- 電子薬歴システム
- 健康管理ソフト
- 臨床検査サービス
ライフサイエンス機器事業
- 概要
- 先端研究用機器の開発と販売で専門性を発揮。
- 競争力
- 高付加価値製品による差別化。
- 顧客
-
- バイオテクノロジー企業
- 研究機関
- 臨床研究機関
- 製薬会社
- 製品
-
- 超低温保存機器
- 培養機器
- 実験環境機器
- 薬局向け自動錠剤包装機
臨床検査受託サービス
- 概要
- 製薬開発支援を中心に臨床検査事業を展開。
- 競争力
- 世界アンチ・ドーピング機構公認検査体制。
- 顧客
-
- 製薬会社
- 医療機関
- CRO
- 健診サービス
- 製品
-
- 臨床試験受託
- 検査サービス
- 治験支援
健康診断・予防医療支援事業
- 概要
- 健康診断向け機器及びサポートサービスを提供。
- 競争力
- 予防医療に強みを持つワンストップ提供。
- 顧客
-
- 健診センター
- 健保組合
- 企業健康管理部門
- 製品
-
- 健康診断機器
- 予防医療ソリューション
電子カルテ・医療ITサービス
- 概要
- 医療機関のITソリューションを提供。
- 競争力
- 安定した運用と豊富な実績。
- 顧客
-
- 診療所
- 病院
- 保険薬局
- 製品
-
- 電子カルテ
- 医事コンピュータ
- 電子薬歴システム
医療用消耗品・周辺機器
- 概要
- 医療現場の効率化を支援する周辺機器。
- 競争力
- 医療機器と連携したトータルサービス。
- 顧客
-
- 医療機関
- 薬局
- 製品
-
- 注射器
- 自動錠剤包装機
- 薬局用配膳車
再生医療関連機器
- 概要
- 再生医療発展を支える高度研究機器。
- 競争力
- 専門技術と品質管理体制で差別化。
- 顧客
-
- 再生医療企業
- 研究機関
- 製品
-
- 再生医療用培養機器
- 細胞保存機器
海外販売・サービス事業
- 概要
- 海外市場に特化した販売・アフターサービス。
- 競争力
- グローバルな販売ネットワーク。
- 顧客
-
- 海外医療機関
- 医療ディストリビューター
- 製品
-
- 医療機器
- 保守サービス
医療用環境機器
- 概要
- 医療・研究施設向けの環境整備機器を提供。
- 競争力
- 高信頼性と安全性の実績。
- 顧客
-
- 病院
- 検査ラボ
- 製品
-
- 乾熱機器
- 乾燥機
医療用画像・診断機器
- 概要
- 高度診断技術を支える医療用機器提供。
- 競争力
- 買収による技術強化。
- 顧客
-
- 医療機関
- 製品
-
- 病理診断機器
- 超音波検査機器
ライフサイエンス研究用機器
- 概要
- 先端バイオ研究を支援する機器群。
- 競争力
- 多様な製品ラインアップ。
- 顧客
-
- 製薬会社
- 研究機関
- 製品
-
- 培養機器
- 細胞保存機器
- 研究用消耗品
競争優位性
強み
- 国内トップの超低温冷凍庫市場シェア
- 糖尿病マネジメント機器の高い技術力
- 豊富な買収経験による事業多角化
- グローバルな販売・サービスネットワーク
- 多分野にわたる医療IT製品の開発力
- 安定した大手株主構成による資本力
- 高度な臨床検査及び病理診断技術
- 長い歴史を持つ医療機器分野での実績
- 医療分野に特化した専門性の高さ
- 強力な国内外パートナーシップ
- 高いブランド認知度と信頼性
- 国内外の規制対応力
- 多様な販売チャネルの確立
- 技術革新への積極的投資
- 豊富な製品ラインアップ
競争上の優位性
- サーモフィッシャーに次ぐ世界第2位の超低温冷凍庫シェア
- COVID-19禍でのワクチン保管需要を捉えた製造能力
- 糖尿病センサー分野における業界標準製品の展開
- 多様な医療ITシステムの連携によるワンストップソリューション
- 豊富な買収によりバイオ・ライフサイエンス分野への拡大
- 東証プライム市場への上場による市場信頼
- 世界アンチ・ドーピング機構公認の検査サービス提供
- 国内最大規模の製造・開発拠点群の保有
- KKR・三井物産らの強力な資本バックアップ
- 豊富な医療機器ブランドと長年の市場実績
- 高度な技術と幅広い製品ラインアップによる競争力
- 電子カルテ等医療IT製品の継続的な強化
- 国際規格への準拠と品質保証体制の整備
- 高い技術開発力と製品信頼性
- 幅広い顧客基盤と販売ネットワーク
脅威
- 多額ののれん代による財務圧迫リスク
- 医療機器規制の頻繁な変更による対応負担
- 国内外の激しい価格競争と市場縮小
- 新規参入企業や大手競合によるシェア侵食
- グローバルサプライチェーンの混乱リスク
- COVID-19収束後の需要減少可能性
- 技術革新速度に追従できないリスク
- 為替変動による収益影響
- 経済情勢の不透明感による設備投資抑制
- 法規制強化による事業運営コスト増大
- 特許紛争や知財リスク
- 人材確保競争の激化
イノベーション
2023: 富士フイルム電子カルテ事業の買収
- 概要
- 電子カルテ事業を約100億円で買収し医療IT強化を図る。
- 影響
- 医療IT分野の市場競争力が大幅に向上。
2021: 東京証券取引所プライム市場上場
- 概要
- 市場第一部に上場後、プライム市場に移行し企業価値を高める。
- 影響
- 資金調達力と市場の信頼性が向上。
2020: 超低温冷凍庫増産によるCOVID-19対応
- 概要
- ワクチン保管需要増加に対応し製造ラインを2〜3交代制に増強。
- 影響
- 短期間で売上大幅増、業界内地位強化。
2020: アメリエフ株式取得による医療サービス強化
- 概要
- 高度データ解析システム開発に向け50.9%の株式を取得し連結子会社化。
- 影響
- ヘルスケアサービス事業の高度化に成功。
2020: Senseonics社との戦略的業務提携
- 概要
- グローバル独占販売契約を締結し製品ラインアップ拡充。
- 影響
- 市場シェア拡大と技術革新促進。
2023: SciMed (Asia)の完全子会社化
- 概要
- アジア市場におけるライフサイエンス事業基盤強化のため株式を追加取得。
- 影響
- 地域事業展開の拡大と売上増。
2023: メディフォード株式会社設立と事業統合
- 概要
- 治験事業を引き継ぎ臨床検査サービス体制を強化。
- 影響
- サービス効率・品質向上に寄与。
2021: 中期経営計画「Value Creation Plan」策定
- 概要
- 2021~2024年度の収益構造改革と成長戦略を策定。
- 影響
- 事業基盤の強化と収益拡大基調確立。
2022: 本社機能を第一生命日比谷ファーストへ移転
- 概要
- 業務効率向上とブランドイメージ刷新を目的に本社移転。
- 影響
- 社内コミュニケーションと業務効率化の向上。
2023: 病理事業ののれん代圧縮対応
- 概要
- サーモフィッシャー病理事業買収ののれん代減損を計上し財務適正化。
- 影響
- 財務健全性の改善に繋がる経営判断。
サステナビリティ
- 超低温冷凍庫の省エネ性能改善による環境負荷軽減
- 地域コミュニティとの協働による健康増進活動
- 多様性・包括性の推進による組織活性化
- コーポレートガバナンスの強化と透明性向上
- サプライチェーンの環境・社会リスク管理