フタバ産業
基本情報
概要
フタバ産業は1945年創業の愛知県岡崎市を拠点とする自動車排気系部品最大手で、トヨタグループ向けが6割超を占め国内トップシェアを誇る企業です。
現状
フタバ産業は2022年3月期に連結売上高約5721億円、営業利益約61億円を計上し堅実な収益基盤を持つ。主力のマフラー・エキゾーストマニホールド製造で国内トップシェアを占めるほか、自動車以外にも複写機フレーム部品製造を展開。グローバルに生産拠点を展開しトヨタを筆頭に多数の完成車メーカーへ安定供給。技術革新やホットスタンプ部品導入など品質・生産性向上に努めている。過去の不祥事を経てコンプライアンス体制強化や経営の透明性向上を図るとともに、持続可能な生産体制の構築に注力。海外生産拠点の拡充によりグローバル競争力を強化し、今後も自動車業界の環境規制対応と自動車電動化に対応した新技術開発を進め中長期の安定成長を目指している。経営体制は継続的に刷新され、サステナビリティ推進や地域社会との共生も積極的に推進している。
豆知識
興味深い事実
- 創業は1945年で戦後まもない時期に岡崎市でスタート
- 国内自動車マフラー市場において最大手として知られる
- トヨタが筆頭株主であり約31%を保有
- 福岡のフタバ九州工場はトヨタ自動車九州内に立地
- 社内軟式野球部は天皇賜杯で優勝経験がある
- 元プロ野球選手が監督を務める軟式野球部が存在
- 複写機のフレーム生産も手掛け多角化を図っている
- 過去に金融庁からの課徴金納付命令を受けた経験がある
- 米国、欧州、中国、東南アジアに多数の生産拠点を持つ
- 農業用CO2供給装置事業にも進出している
- 国内外での品質認証を複数取得済み
- トヨタグループのみならず他自動車メーカーとも取引多数
- マフラーのみならずサスペンション部品も製造
- 中国現地での違法操業問題により元役員逮捕歴がある
- 製造業界の大手ながら社内スポーツ文化も盛ん
隠れた関連
- トヨタが筆頭株主であり、トヨタ自動車との深い取引関係によって事業基盤を強固にしている
- フタバ産業九州工場はトヨタ自動車九州内に位置し、地域連携を強化している
- 双葉電子工業の同名の子会社とは一切の関連がないため混同されがち
- 元プロ野球選手が社内軟式野球部の指導者を務めており、スポーツ界との繋がりが顕著
- 富士フイルムビジネスイノベーションの複写機部品を製造し事務機械業界にも進出している
- 農業分野にCO2貯留供給装置を提供することで異業種との事業融合を図っている
- 課徴金納付命令や贈賄事件を経て、コンプライアンス体制を強化し企業体質改善を推進中
- 国内外の複数の品質・環境認証を取得しグローバル展開に対応している
将来展望
成長ドライバー
- 電動化車両向け軽量排気系部品の需要増加
- 環境規制強化による高性能排気部品の拡販
- トヨタグループおよび他完成車メーカーとの連携深化
- 海外新興市場での自動車需要の拡大
- 複写機など他事業分野での事業拡大
- 品質管理・生産効率化の継続的向上
- 地域社会との連携強化によるブランド価値向上
- サステナビリティに配慮した製品開発推進
- IoTやデジタル技術活用による製造革新
- 農業分野への新規事業展開
戦略目標
- 電動車対応部品の売上比率50%以上達成
- グローバル売上高を約7000億円に拡大
- CO2排出量を2030年までに30%削減
- 品質・生産体制の完全デジタル化推進
- 国内外の生産拠点での環境認証全取得
- 多角化事業収益比率を20%以上に向上
- 地域社会への貢献活動強化と共生推進
- 従業員満足度の継続的向上
- ESG評価で業界トップクラスを目指す
- コンプライアンスとリスク管理の徹底
事業セグメント
自動車完成車メーカー向け
- 概要
- 主要完成車メーカーへ高品質な排気系及び足回り部品を提供し安定した供給体制を維持。
- 競争力
- トヨタグループへの強固な取引関係と国内最大級の生産規模
- 顧客
-
- トヨタ自動車
- 日産自動車
- ホンダ
- スズキ
- ダイハツ
- マツダ
- SUBARU
- 三菱自動車
- 製品
-
- マフラー
- エキゾーストマニホールド
- サイレンサー
- サスペンション部品
- ショックアブソーバー
海外自動車部品市場
- 概要
- 米国、欧州、中国、東南アジアの自動車メーカーに向けて部品供給を拡大中。
- 競争力
- グローバル生産ネットワークの活用によるコスト競争力
- 顧客
-
- FCA (米国)
- VWグループ(欧州)
- 現地完成車メーカー(中国、インドネシア、インド)
- 製品
-
- マフラー
- 排気系部品
- 組立部品
産業機械・業務用機器向け部品
- 概要
- 複写機やプリンターの耐久部品を製造し高精度で安定供給。
- 競争力
- 精密な金型技術と品質管理の徹底
- 顧客
-
- 富士フイルムビジネスイノベーション
- 複写機・プリンターメーカー
- 製品
-
- フレーム部品
- 精密金型
- 治工具
自動車関連設備・金型事業
- 概要
- 生産効率を高める専用設備と金型の設計・製造を提供。
- 競争力
- 多様な要求に応える設計力と施工実績
- 顧客
-
- 自動車部品製造業者
- 金型メーカー
- 製品
-
- プレス金型
- 自動車生産設備
農業用CO2貯留・供給装置
- 概要
- 農作物の成長促進を狙ったCO2環境制御装置を供給。
- 競争力
- 農業分野の新規事業展開力
- 顧客
-
- 農業生産法人
- 温室農家
- 製品
-
- CO2貯留装置
- 供給装置
部品加工委託・OEM受託生産
- 概要
- 多様な業種に対応した受託加工でコストと品質を両立。
- 競争力
- 大規模工場と最新設備による安定供給
- 顧客
-
- 中小部品メーカー
- 多業種製造業
- 製品
-
- 高精度プレス部品
- 金属製造パーツ
部品再生・リサイクル事業
- 概要
- 環境配慮のリサイクル部品を安定的に提供。
- 競争力
- 環境対応技術と物流網の整備
- 顧客
-
- 自動車リサイクル業者
- 産業廃棄物処理業者
- 製品
-
- 金属部品再利用
- リサイクル素材供給
競争優位性
強み
- トヨタグループ向け国内トップシェア
- 多拠点による安定した生産体制
- 精密プレス・金型技術の高さ
- 豊富な海外生産拠点
- 業界内で高い技術ノウハウ
- 長年の取引実績による信頼性
- 充実した品質管理体制
- 多様な完成車メーカーとの取引
- 組織的なリスク管理体制
- 幅広い製品ラインナップ
- 効率的な生産プロセス
- 地域社会に根ざした企業姿勢
- 安定した財務基盤
競争上の優位性
- トヨタの筆頭株主で強固な協力関係を構築している
- 国内最大級のマフラー製造規模と技術力により低コスト生産を実現
- 海外拠点によるグローバル供給網と現地対応力が強み
- 高精度な金型製造と多品種対応の柔軟な生産体制
- 複写機部品製造など事業多角化によるリスク分散
- 大型受注に対応できる生産能力と品質保証体制
- 長期的な取引関係による安定的な受注確保
- 積極的な設備投資による生産効率向上
- 環境関連の規制対応に先進的かつ実効的な取り組み
- 人材育成・技能継承による技術力維持
- 多国籍開発チームによる製品革新推進
- リスク管理強化により不祥事からの信頼回復に成功
- 地域社会への貢献で企業の社会的信用を獲得
- 高い収益力を維持し資金力にも余裕がある
脅威
- 世界的な自動車販売減速による需要変動リスク
- 電動化・EV化による従来排気系部品需要の減少
- 価格競争激化による利益率圧迫
- 外部からの不正融資や不祥事のリスク
- 海外法規制や関税変動の影響
- 為替変動による収益影響
- 新興国現地メーカーとの競合激化
- 環境規制強化に伴う生産コスト増加
- サプライチェーン断絶リスク
- 人材不足・高齢化による技能継承問題
- 技術革新の遅れによる競争力低下
イノベーション
2024: ホットスタンプ部品の量産開始
- 概要
- 最新のホットスタンプラインを導入し高強度部品の量産を実現。
- 影響
- 製品の耐久性向上と市場拡大に寄与
2023: CO2貯留・供給装置の新規販売開始
- 概要
- 農業向け環境制御装置の市場投入により新規事業展開を開始。
- 影響
- 農業分野での事業多角化に成功
2022: グローバル品質管理システムの強化
- 概要
- 海外生産拠点の管理を一元化し品質安定を推進。
- 影響
- 国際競争力と信頼性の向上
2021: 自動車用マフラー新型設計技術導入
- 概要
- 軽量化と耐熱性向上を実現する新設計技術を採用。
- 影響
- 製品性能向上とコスト削減
2020: IATF16949認証取得
- 概要
- 国際的自動車品質規格の認証を取得し品質保証体制を強化。
- 影響
- 顧客信頼獲得と新規受注拡大
サステナビリティ
- 環境負荷低減のため製造プロセスの省エネ化推進
- 廃棄物削減とリサイクル率向上を継続的に実施
- 環境規制対応のための排ガス浄化技術強化
- 地域社会と連携した植樹活動や環境啓発活動への参加
- 従業員向けの環境教育プログラムの充実
- サプライチェーン全体でのCSR活動強化
- 持続可能な資材調達の推進
- 環境に配慮した製品設計の推進
- 工場の水使用量削減と水質管理の徹底
- CO2排出削減目標の設定と進捗管理
- 電動化対応部品の研究開発体制の強化
- 安全衛生管理の高度化と職場環境改善